■■■「バックアウト・ロード アメリカで最も呪われた通り」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)
(65点/オカルト:結構オススメ)
ニューヨーク州のウィンチェスター郡にある『バックアウト・ロード』は、そこに伝わる様々な都市伝説や怪現象から『全米で最も呪われた通り』として知られていた。
ある日、心理学者のパウエルは警察に勤める知人のロイからの依頼で、過去のトラウマから悪夢に悩まされているという、彼の娘のクレオを診断する事となる。
パウエルは彼女の症状を調べるうちに、彼女と同じ『バックアウト・ロード』に関する悪夢を見た人間が次々と謎の自殺を遂げているという事実に気づきその謎を解明しようとするが、そんな矢先に交通事故を起こして急死してしまう。
時を同じくして軍から帰還したパウエルの孫のアーロンは、生前の祖父が調査していた『バックアウト・ロード』に関する奇妙な事件を知るが、そんな矢先に彼自身も『バックアウト・ロード』に関する不気味な悪夢を観るようになり…
様々な都市伝説がある事で知られ全米で最も呪われた通りと言われているニューヨーク州のバックアウト・ロードと、その呪いに囚われた人々が味わう恐怖を描いたオカルトホラー映画。
ニューヨーク州のウィンチェスター郡にある、全米で最も呪われた通りとして知られるという『バックアウト・ロード』を題材とした、いわゆる『都市伝説系ホラー映画』なのですが、私はこの都市伝説に関する噂をあまり聞いた事が無かったので、ちょっとネットで検索してみたのですが、『バックアウト・ロード』で調べても本作に関連する紹介の記事ぐらいしか出てきませんでした。
ですので、元ネタがある作品なのか完全な創作なのかは、残念ながら今回はちょっと良く分かりません。
とまあ元ネタがあるかどうかはさておくとして、本作に関してはコレがなかなか予想以上に良く出来た掘り出し物的な作品でしたよ…
お話としては、『とある心理学者が様々な都市伝説で知られる「バックアウト・ロード」に関する悪夢を見た人間が次々に自殺と思われる変死を遂げている事に気づくも、本人も事件を調査中に謎の変死を遂げてしまい、彼の調査をその孫の青年が受け継ぐ事になるが…』みたいな感じの展開。
序盤は途中で主人公が入れ替わったり、お話のバックボーンがなかなか見えてこなかったりとするせいで、妙にゴチャゴチャした展開でちょっと散漫な印象を受けますが、中盤の『バックアウト・ロード』の謎に迫りだす辺りから、お話が一気に面白くなってきます。
オカルトの描写もなかなか面白くて、主に『呪いによって主人公たちが観る悪夢』として恐怖シーンが描かれるのですが、70~80年代のホラーみたいな演出だったり、開拓時代アメリカの魔女伝説みたいなノリだったりと、本編とは違うテイストの不気味さや怖さが出ていて非常に良い味を出しています。
これが『低予算っぽさ』を逆に効果的に使った、実に上手い演出という感じ…
ストーリーも割とシッカリとサスペンスした先の展開が読めない作りで、徐々に『バックアウト・ロード』に関する隠された謎が解明されていくという謎解き的な要素も面白いですし、本編は謎解きメインの地味目の展開ながらも、そこそこ盛り上がるシーンやら悪夢世界のオカルト描写やらが定期的に挿入されるため、退屈せずに観れるのも良い感じ。
主人公たちのキャラも魅力的に描かれており総じて良く出来た内容なのですが、ただ前述のとおり人間関係やら各キャラの設定がゴチャゴチャしすぎていて、序盤の展開がちょっと分かり辛く冗長な印象があるのと、ややネタバレになりますが終盤のドンデン返し的な展開がちょっとイキナリすぎて唐突感があった辺りは気になった部分かも?
でも、オチの落としどころなんかもなかなか上手かったですし、全体的に満足度が高くて面白い作品でしたよ。
総評としましては、なかなか個性的な設定で良く出来た『佳作レベルのB級オカルトホラー映画』って感じの作品です。
全体的にちょっと安っぽさはありますが、独特の世界観とか低予算さをあまり気にさせない作りが、非常に良く出来ている印象。
都市伝説系ホラーが好きな人や、オリジナリティのある感じのオカルトホラー映画を求めている人であれば、普通にオススメ出来る内容だと思いますので、気になるようであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。