NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジュラシック・シャーク -3.0」(20点/モンスター)

■■■「ジュラシック・シャーク -3.0」■■■
(20点/モンスター)


 全長15mを越える巨大な人喰いザメの目撃情報が相次ぐ港町のカッツマンコーブで、美術品を盗んだ美術品窃盗団がサメに襲われて、高価な絵画が海底に沈んでしまうという事件が発生。


 その頃、モデルのブリーは巨大ザメのウワサに怯えつつも、カメラマンのスタンらと共に撮影のためにカッツマンコーブへと訪れるが、撮影の最中に3人組の窃盗団が彼らの船をハイジャック。


 窃盗団の仲間たちがサメに襲われた際に、海底に沈んでしまった美術品を回収するために、無理矢理協力させられる事となる。


 しかし、海上でのトラブルによって、カメラマン兼操縦士のスタンが巨大ザメに食われてしまったことから、彼らは巨大ザメの徘徊する海上を漂流することとなってしまい…

 


 石油基地の違法採掘によって蘇ったメガロドンが、海に訪れた人々に執念深く襲い掛かる…という、モンスターパニック映画。


 超低予算のB級(というかZ級)ホラー映画マニアなら知らない人は無いと言われる、Z級映画の帝王マーク・ポロニア監督の新作映画です。


 ゴジラ-1.0」のヒットにあやかって、『あっちが-1.0なら、こっちは-3.0だ!!』みたいなノリで付けられた邦題のようですが、一応は過去の「ジュラシック・シャーク」シリーズと話の繋がったストーリーとなっており、シリーズの3作目に当たる作品のようですね。


 『というか「ジュラシック・シャーク2」なんて出てたっけ?』と思って調べてみたところ、日本では発売されていないだけで、どうやら海外では2も普通に作られていた模様。(もしくは、自分の知らないところで、日本でも公開されていたのかもしれませんが…)


 ただ、お話としては『1作目の美術品強盗団の話』と繋がった内容となっているようで、2は観ていなくてもあまり困らなさそうな雰囲気です。(というか、3を観たおかげで、『そういうや1作目はこんな話だったなあ』という無駄な記憶が蘇ってしまいましたよ。(笑))


 肝心の映画の中身の方は、マーク・ポロニア監督の映画というだけで十分に『推して知るべし』ってレベルなのですが、それでも本作はどちらかと言うと『ダメな方のポロニア映画』に近い印象。


 ポロニア監督の映画って、特撮が『合成』と呼べないような切り貼りレベルの映像でダメダメなのはいつもの事で、本作でも『全長15m以上の巨大ザメ』という設定なのに、人間を襲撃するシーンではどう見ても2~3mぐらいになったり、ヘリを襲撃するシーンでは10m以上のサイズになったりと、『適当な作りにも程がある』というような内容なのですが…


 そんなショボい映像でも『臆面もなくモンスターを画面に登場させまくって、テンポよく大暴れさせてくれる』というのが見どころだったりするのですが、本作はサメの出番が少な目で、お話自体のテンポも悪くて全体的にグテグテとしたシーンが多めの印象。


 更に、ストーリーや設定が『1作目の焼き直し』みたいなプロットのせいもあって、マンネリ感があってどうにも退屈です。


 ただ退屈なまま終わるのかと思いきや…ここからはネタバレになるのですが、終盤で『ポロニアマルチバース』とでも言うような超展開に突入。


 まさかの展開に予想以上に楽しめてしまって、何だか悔しさすら感じでしまいましたよ。(笑)


 続編を作る気まんまんみたいな終わり方ですし、これはマーク・ポロニア監督の作品が好きな人(?)であれば、ある意味で観ておいて損はない一本だと思いますよ。

 


 総評としましては、相変わらず『特撮・ストーリー含めてこれ以上ないレベルで酷い出来の超低予算モンスターパニック映画』って感じの作品です。


 ただ、前述のとおりマーク・ポロニア監督の作品が好きで、色んな作品を一通り観てしまっているような物好きな人であれば、間違いなく楽しめる内容だと思うので、そういう奇特な方にはオススメできる一本かもしれません。


 正直なところ、出来だけを考えるとオススメしたくはない映画なのですが、ネタ映画としてのポテンシャルは高い作品ですので、そういう意図で観るのであれば観ておいても損はない一本ではありますよ。(笑)