その頃、この町に友人たちと共にバカンスに訪れていたマッジらの3人は、ボート遊びの最中に沿岸警備隊からすぐに引き上げるように警告される。
しかし彼らが仕方なく沖合から引き上げようとした矢先に、水中からの何者かの襲撃によってボートが故障してしまった事から、仕方なく近くの無人島まで泳いで上陸したところ、その場所で奇妙な施設のようなものを発見。
施設で銃を持った白衣の男に捕らえられた彼らは、町で噂になっている人食いザメの正体が、かつてのナチスの残党であるマッドサイエンティストによって作り出された不死身の怪物『フランケンジョーズ』である事を知らされるのだった…
今回は久々になかなか強烈なビジュアルだったので、画面のキャプチャーを絡めながら感想を書きたいと思います。
画像のキャプチャーを含んでいるせいもあって、今回はネタバレ成分が多めですので、ネタバレを避けたい人は読まずに映画を観るようにしてください。
(まあ、本作のネタバレを食らわされて困る人もあんまり居ないと思うけど…)
画像のキャプチャーを含んでいるせいもあって、今回はネタバレ成分が多めですので、ネタバレを避けたい人は読まずに映画を観るようにしてください。
(まあ、本作のネタバレを食らわされて困る人もあんまり居ないと思うけど…)
地雷請負メーカーのASSULT1の販売で、「ジュラシック・ビースト」や「ビッグフットvsゾンビ」を生み出したマーク・ポロニア監督の新作という事で、別の意味で『期待せざるを得ないような作品』なのですが、予想どおりになかなか強烈な作品でした。
といっても、先日観た「デビルシャーク」とかと比べると、まだまだ『どいうストーリーで何がやりたいかの意味が分かる』って点では非常に素晴らしい出来の作品と言えます。
(いやぁ、『意味が分かる』ってホントに良い事ですね!!)
(いやぁ、『意味が分かる』ってホントに良い事ですね!!)
まあそれを抜きにしても「ビッグフットvsゾンビ」と比べても全体的な完成度は高めで、水中撮影が行われていたりとか少し予算もかかっており、お話のテンポも良くて観ていて退屈しない作りなのもなかなか良い感じ。
ただ、他の最底辺の映画と比べての相対的な評価はさておくとして、絶対的な評価で観ると本作も相当なレベルのクソ映画なのは紛れも無い事実。
何が酷いって、とりあえず特撮が酷い。
この『フランケンジョーズ』が、最初観た時はCGが安っぽくて浮いてるだけかと思ったのですが、なんと今時アニマトロニクス…というか、単純に手で『サメの模型』を持って子供が遊ぶみたいに『とりゃーっ!!』とサメを動かしたのを実写と合成してるだけという、時代に逆行する猛烈なローテクっぷりにビックリさせられましたよ。
(「ジュラシック・ビースト」ですらストップモーションアニメだったのに…)
(「ジュラシック・ビースト」ですらストップモーションアニメだったのに…)
普段はこんな感じでヒレだけで描写されるシーンが多いんだけど…
海岸に居るお姉ちゃんが襲われるシーン。
船の上のオッサンが襲われるシーン。
って、どう見ても模型を手で持って動かしてるだけですよね!!
しかもシーンによって縮尺が適当なので、お姉ちゃんの方では7~8mぐらいありそうなのに、オッサンの方は2mぐらいになってるし…
まあ合成そのものはCGで行っているのでしょうし、一部で水の揺らぎを表現して画面が揺らいでる場面とかもあるので、CGって言っても間違いではない?(違います)
なんにせよ、画面に登場するたびにあまりのショボさに笑いを誘ってくれるフランケンジョーズくんは、(バカ映画的に)非常に良い仕事をしていると言えなくも無いです。
ちなみに、この『模型が飛び出してくるシーン』はまだ気合が入っている方で、他に『水の中で画面が赤く染まるだけのイメージ映像』という残念な襲撃シーンもいっぱいあります。
まあ特撮の話はさておくとして、ちなみにストーリーとしては『ナチスの残党のマッドな科学者が、死体を継ぎはぎして作ったサメのボディにフランケンシュタインの脳と心臓を移植した怪物を作り出して世界制覇を企てる』みたいな感じの内容。
つっても『人造のモンスター鮫を作る程度で世界制覇とか無理だろ…』と思いきや、彼らの中では『ゆくゆくはヒットラーの脳を移植した怪物を作る』みたいな遠大な計画もあったりして、そこまでストーリーが破たんしてる訳でも無いのはまあまあ良い感じ。
ただストーリー上の設定はさておくとして、モンスター映画として『単に巨大なサメが人を襲うだけなら、フランケンとジョーズを組み合わせた意味が無くない?』と思いながら見ていたのですが、終盤からのまさかの超展開。
上陸したフランケンジョーズくんが落雷を受けて…
なんと『手と足が生えた半魚人形態』に超進化!!
あまりの予想外の展開っぷりに、TVの前で思わず爆笑してしまいましたよ。
いや『フランケンの意味なくない?』とか疑ってしまって悪かったです。
コレはある意味で、非常に(無理はあるけど)無駄のない設定。(笑)
いや『フランケンの意味なくない?』とか疑ってしまって悪かったです。
コレはある意味で、非常に(無理はあるけど)無駄のない設定。(笑)
他にも地味に「フランケンシュタイン」の原作のオマージュ的なネタがあったり、ヒロインが「フランケンシュタイン」の映画シリーズを熱く語る展開があったりと、意外とシッカリと原作を意識した作りになっている辺りは、『ポロニア監督、意外とやるやん!!』という感じ。
まあ原作を意識するあまり、超進化したはずの不死身のフランケンジョーズくんが数名の村人に攻撃されて逃げ回ったりするトンチンカンな展開があったり、サービスのつもりなのかオバサンをレイプする誰得なシーンがあったりとか、ツッコミどころ多すぎる展開なのは致し方ないところでしょうか?
ラストの展開もちょっと蛇足な感じですし、オチはもうひと捻りあっても良かったかも?
総評としましては、色々とホントに酷い出来でツッコミどころも満載な『Z級レベルのモンスターホラー映画』って感じの作品です。
ただ、ショボすぎる特撮や超展開も『酷すぎて笑える』感じに昇華されていますし、これは何というか『愛すべきクソ映画』って感じの内容なので、クソ映画マニアならばある意味で観ておいても損は無い作品かも?
友達とかとツッコミを入れながら観る分には物凄く楽しめる作品だと思いますので、ネタとして楽しめる映画を探している人とか実況向けの作品を探している人になら、なかなかオススメできる一本だと思いますよ。