NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スノーシャーク / 悪魔のフカヒレ」(30点/モンスター)

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■■■「スノーシャーク / 悪魔のフカヒレ」■■■
(30点/モンスター)


 1999年の2月。
 地震のあとに動物が消えたという謎の減少の調査に雪山に訪れた3人の科学者が、古代生物であり雪の中を自在に泳いで獲物を襲う『雪ザメ』を発見。
 最初の目撃から7年後、雪ザメは町を襲撃し犠牲者を出すも地元の少年マイクによって撃退される。


 そして雪ザメの出現から更に12年後。
 再び雪ザメに襲われたと思われる犠牲者が出るという事件が発生。


 市長は、雪ザメに息子を殺された警官のドンを中心に調査団を結成し、同じころ、かつて雪ザメと相まみえたマイクは、再び雪ザメを迎え撃つべく独自に行動を開始するが…

 


 雪の中を自在に泳ぎ回って人間を襲う『雪ザメ』の恐怖を描いた、モンスターパニック映画。


 昨今はサメが地上を歩き回ったり土の中を泳いだり空を飛んだりする時代なので、今さら雪の中を泳いだりした程度ではさほど驚きもない訳ですが…


 Z級映画で有名なマーク・ポロニア監督の「ランドシャーク」を買い付けてきたコンマビジョンの配給する新作だけあって、これもまあ出来も内容も含めて色々と酷い作品(笑)です。

 なんか、最近のコンマビジョンはZ級のサメ映画を買い付けてくることに情熱を燃やしているのかしらん?(もともと海外のエロパロ映画を販売してるメーカーだったのに…)


 そんな感じで、本作は『サメが雪の中を泳いだ』としてもサメ映画としてはそこまで目新しさは無い内容ではあるのですが、その部分は置いといてもなかなかに酷いZ級モンスター映画という感じですね。


 何が酷いって目に見えて分かるレベルの低予算っぷりで、特に序盤~中盤辺りの手抜きっぷりが酷くて、サメ映画なのにサメが出てくる出てくるのは『雪上を走る背びれ』のみという体たらく。(あ、『悪魔のフカヒレ』ってそういう…)


 人間が襲われるシーンは『雪上に飛び散る血糊』のイメージ映像のみで、襲撃シーンが多い割にはビックリするほど盛り上がりません。


 ただ、登場キャラの描き込みやキャラ立ては割と凝っており、過去に『雪ザメと戦った少年』や『雪ザメに息子を殺された警官』、『UMA研究者』、『市長に雇われた敏腕ハンター』といったキャラの濃い面々が続々と登場してお話を盛り上げてくれるのですが、その割と長い前振りを使って登場したメインキャラっぽい人たちが、全く何の盛り上がりもないままに瞬殺されたりとキャラの扱いが色々と酷くて、何がしたいんだか作品の方向性が良く分かりません。
 (というかあまりにアッサリ死に過ぎて、『え、あの人、死んだんだっけ?』みたいになってしまい、死んだことにしばらく気付かないレベル。(少しは煉獄さんを見習ってほしい)


 中盤からは、襲撃シーンにサメの『フカヒレ』以外の部分の出番も出てくるのですが、犠牲者が『安っぽいサメの模型に自分から食われにいっている』のが丸わかりで、なかなか失笑させてくれます。


 そもそも、20cmぐらいしか積雪して無さそうな場所で雪の中からサメが出てきたり(雪の中というより土の中に潜ってるやん…そもそも雪が無い時はどうやって狩りをするんだよ?)とか、どう考えても無理があるシーンが多くてツッコミどころが満載。


 ラストも、特に対策を練るでもなく何の盛り上がりも無いまま雪ザメを倒したと思ったら、『実は一匹じゃなくていっぱい居ました』という何の解決もしない投げっぱなしオチで、どういう気持ちになったら良いのか良く分からない映画でしたよ…


 まあサメの出番も多くて作品のテンポ自体は良いですし、ツッコミどころもいっぱいあって別の意味で楽しめるので、ある意味で『退屈しないで観れる良い作品』とは言えるのかも?

 


 総評としましては、色々と酷い出来の『超低予算Z級モンスターパニック映画』って感じの作品です。


 そもそもタイトルやら宣伝の仕方からして、そういう底辺映画をネタで売り込む気がまんまんの作品ですし、観る側も『そういう映画』だと理解して観てると思うので、こういうのもまあアリかなぁ?


 ツッコミどころは満載の作品ですので、ネタ映画として楽しむのであれば割とオススメできる一本ではないかと思いますよ。