■■■「ジョーズ MEGAモンスターズ」■■■
(40点/生物パニック)
ある日、ダイバーのウェイは、元恋人のアン・チーらと共に男女6人のグループで、友人のクルーザーで洋上のバカンスに出かける事となる。
しかし彼らの操船ミスにより、クルーザーが暗礁に衝突して転覆するという事故が発生。
海上に投げ出されてしまった彼らは、船が沈没しきる前になんとかして近くの無人島まで泳いで向かおうとするが、負傷した彼らの血の匂いに引き寄せられて、巨大な人食いザメが集まってきてしまい…
洋上にバカンスに出た若者6人が、クルーザーの転覆事故によって海に投げ出されて巨大なサメに狙われる事となる…という、サメものの生物パニックホラー映画。
大量生産されている中国製の生物パニック映画のうちの一本なのですが、タイトルに『MEGAモンスター』とか付いてていかにもメガロドンとかが登場しそうな雰囲気ですが、本編には普通の巨大人食いザメが登場するだけで特にメガロドンとかは登場しません。
公式のプレスリリースにも、いかにもメガロドンが登場しそうな雰囲気の事が書いてあるうえに、タイトルやパッケージも「MEG」を意識しまくりな感じなのですが、ここまで『だます(というか優良誤認させる)気まんまんなタイトル』は最近では逆に珍しいかも?(笑)
お話としては、『洋上にクルーザーでバカンスにでた若者たちが、事故によって海に投げ出されてしまい、なんとかして近くの島まで避難しようとするんだけど、近海に棲む巨大な人食いザメによって一人また一人と犠牲になっていく』という、ホントにそれだけの展開。
特に捻りのようなものもない、直球ストレートに『人食いザメの襲撃』を描いただけの内容なのですが、全体の尺も70分程度と短いですしキャラの掘り下げや背景の説明なんかも割と最低限な程度しかなくて、とにかくサクサクとお話が進むのはストレスが溜まらなくて良いですね。
ただサクサク進むのは良いのですが、全体的に映画の内容がとにかく淡泊でどうにも盛り上がりに欠ける印象。
本作の目玉となる『人食いザメ』はCGと実写映像の合わせ技で描かれているのですが、映像の使いまわしが多いうえにCGの合成もそこまで高いレベルでもなく、襲撃シーンも『なんとなくカメラアングルの切り替えで襲われてる風に誤魔化している』みたいな感じ。
一応は定期的にサメが登場して『仲間が一人づづ犠牲になっていく』みたいな流れなのですが、前述のとおりキャラの掘り下げも浅いのでメンバーが食われてもあまり感情移入も起こりませんし、サメの襲撃シーンも映像的にあまり面白味が無いものなので、観ていてもどうにも盛り上がりに欠けます。
CGとか特撮のレベルやお話の展開のどれもが、かろうじて『及第点レベル』ではあるのですが、それ以上のものが何も無いためとにかく淡々と『テンプレート的なサメ映画』を見せられている印象です。
ラストも割とアッサリしてて面白味に欠けますし、なんかもうちょっと主人公やサメのキャラに魅力的な要素や盛り上がる部分があればなぁ…という感じの映画でしたよ。
総評としましては、『どうにも盛り上がりに欠ける人食いザメもの低予算B級パニック映画』って感じですね。
特に酷い要素がある訳ではないのですが、なんというか『可も不可も無さ過ぎて不可』みたいな感じの映画で、良い意味でも悪い意味でも個性の感じられない作品という印象。
正直なところ特にオススメするような要素もないので、よほど『サメ映画は逃すことなく全てチェックするんだ!』みたいな使命感に燃えているのでも無ければ、普通にスルーしてしまっても問題のない一本だと思いますよ。