NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブラック・デーモン 絶体絶命」(50点/モンスター)

■■■「ブラック・デーモン 絶体絶命」■■■
(50点/モンスター)


 海上の油田基地の視察とバカンスを兼ねて、家族四人でメキシコの田舎町を訪れたポールは、港町の寂れた雰囲気に不気味なものを感じながらも海上の石油採掘プラントへと赴く事となる。


 しかし石油プラントに到着した彼は、その場所が『巨大なサメ(メガロドン)』の襲撃を何日も前から受けており、作業員は2名を残して既に殺されて居る事を知らされる。


 巨大ザメは『ブラック・デーモン』と呼ばれるアステカ神話で語り継がれる怪物で、自然破壊する彼らを殺すために現れたものだと聞かれされたポールは鼻白むが、驚く彼の目の前で彼らの乗ってきた船も巨大なサメによって撃沈。


 なんとか石油プラントの電力を復旧しようと海底に潜った彼らは、そこで何者かによって仕掛けられた巨大な時限爆弾を発見し、自分たちが巨大ザメと爆弾によって絶体絶命の危機にさらされている事に気づくのだった…

 


 海上の石油採掘プラントが巨大ザメと時限爆弾による爆破の脅威にさらされ、絶体絶命の危機に陥ってしまう…という、モンスターパニック映画。


 一応はメガロドン』を題材にしており、予算もそこまで低予算ではないシッカリと作られた作品なのですが…


 『巨大ザメ』と『時限爆弾によるタイムリミット』という盛り上がりそうな要素が山盛りの設定の割には、これ以上にないぐらい『可も不可も無い薄味のモンスターパニック映画』って感じの内容です。


 本作の『サメ映画』として残念な点を挙げるとしたら、とにかく『サメの出番が物凄く少ない』ということ。


 せっかくメガロドンが登場する映画の割に、出番が中盤とラストにちょっとある程度で、見せ場となるような部分が殆ど無くてどうにも盛り上がりません。


 しかも巨大ザメには『幻覚を見せて人間の心に揺さぶりをかける伝説の悪魔』みたいな大層な設定があって、怪物のバックボーンが割と尺を割いて語られたりするのですが、映画の中ではその能力や特性が殆ど活かされておらず『なんなら普通のサメ映画のサメよりも個性や存在感が薄い』ような扱いになってるのは困りものです。
 (唯一、『水中にバラバラになった死体が大量に浮いているシーン』は不気味で良かったかな?)


 サメの出番が少ない代わりに、作中では主人公たちが『油田基地のトラブル』に対応したり『油田基地に関する不正問題』が発覚したりして、ストーリーとしてはサメ要素よりもサスペンス的な要素がメインだったりするような構成なのですが、正直なところその内容も『そんなのどうでもいいわ』と言いたくなるようなショボいレベル。


 また、特撮やら映像にそこそこお金がかかっているだけあって映像に迫力があるのは良いのですが、見せ方的にも全体的に緊迫感のあるシーンが少ないですし、ラストも特に捻りの無いような展開ですし、どうにも盛り上がる要素が薄くて物足りなさばかりが残る作品でしたよ。

 


 総評としましては、予算をかけて作られた割には『地味すぎて盛り上がりに欠けるモンスターパニック映画』って感じですね。


 映像とかはキチンと作られているので『モンスターパニックものの特撮映画』として悪くないレベルの完成度ではあるのいですが、かといって強いてオススメするような要素も殆ど無くて『悪い意味で可も不可も無い作品』という印象。


 メガロドン映画』という事で、そういうジャンルが好きな人であればそれなりに楽しめる作品だとは思いますが、メガロドンの扱いが薄くて変にメガロドン要素に期待してると肩透かしを喰らわされる恐れもあるので、その辺は注意が必要な一本かもしれません。