NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジュラシック・シャーク」(12点/モンスター)

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■■■「ジュラシック・シャーク」■■■
(12点/モンスター)

 石油会社の違法の掘削の影響で地底の氷床が融解した事から、8千万年前の地層から太古の巨大ザメであるメガロドンが復活。
 湖に解き放たれたメガロドンは石油会社のプラントを破壊し、湖に来ていた観光客たちを襲いはじめる。

 大手石油会社の違法掘削を調査するために湖に訪れていたジルたちは、湖面をボートで移動中にサメの襲撃を受けて仲間の一人を食われつつもなんとか湖の上の小島へと避難。

 そこで同じようにサメに襲われて避難していた3人の男女に出会いなんとかして島から脱出を図ろうとするが、その3人組は実は美術品の窃盗団で湖の中に落としてしまった絵画をサメの隙を付いて回収し、彼女たちを亡き者にして逃走しようと目論んでいたのだった…



 石油会社の違法掘削の影響で融解した地底の氷床から復活した巨大ザメのメガロドンが湖に訪れていた人々を襲うという、モンスターパニック映画。

 いやはやなんというか、コレは久々に『やってしまった…』ってレベルのZ級のモンスター映画ですな。
 とにかく物凄い低予算っぷりで掛け値なしにショボい作品です。

 低予算故にメインの登場人物は10人程度(モブなんて一人も居ない)マトモなパニックシーンなんて無しで、『メガロドンが石油プラントを破壊した』という設定はあるものの、『チラっと爆煙が見える』だけでスペクタクルなシーンは当然なし。

 サメの襲撃シーンはCGなんだけど、殆どが『泳いでる人を水中から撮影してるカット』と『サメが近寄ってくるカット』を交互に写しているだけのイメージ映像。
 (一応、『本編の見せ場』的に2回ぐらいはマトモに襲われるシーンもアリ)

 余程予算が無かったのか、サメの映像も殆どが『同じ3~4パターンのカット』の使い回しで、もはや『何でここまでの低予算で巨大生物ものの映画を撮ろうと思ったんだ?』とツッコミを入れたくなるレベル。

 それでもストーリーが面白ければまだ救いがあるんだけど、ストーリーの方も恐ろしく退屈な上に物凄いイキオイでツッコミどころ満載の内容。

 流石に低予算すぎてサメだけでは間が持たないと考えたのか、美術品の窃盗団に主人公たちが襲われるという設定も入れてるんですが、そもそも『逃亡中の窃盗団がたまたま訪れた湖に、たまたまメガロドンが復活してて襲われる』という展開が唐突すぎで説得力も何もあったもんじゃありません。

 襲われるシーンも、全長13mぐらいある筈のメガロドンに何故か水深50cmぐらいの浅瀬で襲われたりするし、そもそも地底の氷が融解してメガロドンが復活したのだったとしても淡水の湖に出てきたら浸透圧の影響で長生き出来ないでしょうに…
 (まあメガロドンの生態が分からないので、なんとも言えない部分ではありますけど…)

 怪物の倒し方も、たまたま石油会社の基地の通路内に分かりやすく置いてあったダイナマイト(鍵をかけて倉庫とかに管理しとかないの?)を大した前振りも無く怪物の口に投げ込んで倒すだけという、面白くもなんともない倒し方。

 そして何よりも参ったのが、この映画は全編で80分ぐらいの作品なのですが1時間程度のところで本編が完結してしまったので『残りの20分ぐらいは何をするんだろう?』と思いきや、残り時間は『20分ぐらいに渡って延々とスタッフロールが流れているだけ』という物凄い衝撃の展開でしたよ。

 いやいや80分の映画で全編の1/4がスタップロールって、いったいどんだけ自己主張が強いんだよ…というか、この超低予算映画にそんなにスタッフが関わってたって事にビックリだよ!!

 ちなみに余談ですが、私は最初にこのタイトルを見た時に『あれ、この映画のタイトルを過去に見た事がある気がするんだけど?』と思って調べてみたのですが、以前にあったのはロジャー・コーマン製作の「ジュラシック・ジョーズっていう作品でした。

 まあションボリ度合いでは両方とも同じぐらいの映画なので、混同してしまってもあまり問題が無いレベルではありますけどね…


 総評としましては、久々に『掛け値なしに胸を張ってツマんないと言える映画』って感じの作品でしたよ。

 ネタ映画として笑えるほど吹っ切れても無くて『淡々とショボいだけの作品』なので、誉めたくてもポリアンナでも良かった探し諦めるレベル』といったところです。

 余程のZ級の低予算映画が好きなマゾ体質の人か、スタッフロールを延々と20分ぐらい眺めるのが大好きな特殊性癖の持ち主にしかオススメできないような映画ですので、この手の映画が好きな人でも『普通にスルーしてしまっても問題ない一本』だと思いますよ。