
■■■「小鹿のゾンビ」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)
森で妻と子供と共に静かに暮していたバンビは、ある日、森に訪れた有毒物質の不法投棄目的の反社会グループによって、妻を殺されたうえに子供を奪われ、自らも有毒物質によって凶暴なゾンビへと変異してしまう。
一方、離婚して別居中の父親に合うために、母と共に人里離れた父の実家へ行く事となったベンジーは、実家に向かう途中の森の中で巨大謎の怪物の襲撃を受け、車が大破したうえに運転手が惨殺さるという事件が発生。
彼らを襲った怪物は、怪物と化して人間への復讐に燃える『ゾンビ化したバンビ』だった…
不法投棄された有毒物質によって怪物と化したバンビが、復讐のために人間たちを襲撃する…という、モンスターホラー映画。
最近、この界隈で流行っている『ホントは怖い〇〇童話』的なネタのパブリックドメインホラーの新作で、今回は「バンビ」を題材とした作品ですね。
というか、単に『可愛い可愛い小鹿の●ンビ~♪』って言いたいだけのタイトルやろ!!
…って感じでヤバい雰囲気を醸し出している作品ですが、実際のところ「バンビ」要素は殆ど無くて、ついでに言うと「ソンビ」要素も無し。
(恐らく邦題で『小鹿のバンビ』の語呂合わせで『小鹿のゾンビ』って付けただけで、そもそも小鹿でも何でもなくてめっちゃデカいし…)
ただ、『パブリックドメインホラー』としては色々とツッコミどころの多い作品ながらも、モンスター映画としては意外と良く出来ている印象。
まず、本作の『バンビ』が矢鱈とデカくてとにかくパワフル。
小鹿どころか、体高3mぐらいありそうなヘラジカ並みの巨体で、お話の初っ端から体当たりで車を破壊したり、建物を破壊して強引に家に押し入ってきたり、角で人間を八つ裂きにしたりといったパワープレイと残虐ファイトを連発して楽しませてくれます。
モンスターの画面への露出や出番も、初っ端から全く出し惜しみが無くて滅茶苦茶多いですし、モンスターのデザインもいかにも凶悪そうな面相と、容赦のない執念深さで魅力的に描かれており、モンスター映画としてはこれだけでも十分に及第点。
また、予想外にバンビ以外のモンスターアニマルが登場したり、バンビの襲撃以外の残虐シーンもあったりして、見せ場のバリエーションが豊富で観ていて飽きないのも好感触です。
ただ、モンスターの暴れっぷりは良く出来ているものの、ストーリーに関してはグテグテなうえに有って無いようなレベルなのは困りもの。
『バンビ』要素も、認知症っぽい主人公のお婆ちゃんが怪物の事を『バンビ』って呼んでるだけで、特にソレっぽい部分やリスペクト的なネタも無いですし、主人公の父親が『実は有毒物質の不法投棄』に関わってたみたいなサスペンスっぽい設定が出てくるものの、ぶっちゃけ『その設定、必要だった?』とツッコミを入れたくなるレベル。
『バンビの子供』と主人公の少年の交流みたいなのも中途半端ですし、『もうちょっと上手くストーリーに組み込めなかったもんかなぁ?』というのが正直な印象。
あと、中盤まではそこそこ盛り上がる割には、ラストは妙にアッサリしていて物足りなくて尻すぼみ感があったので、終盤にかけてもうちょっと山場的なものが欲しかったところですよ…
総評としましては、低予算ながらも『意外と楽しめるB級モンスターホラー映画』って感じすね。
内容は全く無いような作品で人を選ぶ作品ですが、とりあえず『凶暴な鹿型モンスターの暴れっぷりを楽しみたい』という需要は十分に満たせる内容だと思いますので、そういうタイプの馬鹿映画っぽいのが好きな人向けの作品という印象です。
あと『バンビ』要素のホラーに期待していると肩透かしを食らわされる可能性があるので、あまりパブリックドメイン的なネタには期待せずに、普通に頭の悪い『B級モンスターホラー』を楽しむつもりで観る分には、割とオススメの一本だと思いますよ。