（４５点／モンスター）
アメリカのトロマビルという片田舎の町で、「アメリカン・チキン・バンカー」というフライドチキンの店舗が開店する事となる。
しかし店舗の建設場所が、先住民であるトロマホーク族の『聖なる墓地』であった事から、地元住民は『動物虐待の防止』と『先住民の文化保護』という名目のもと和解金目当てのデモ活動を開始。
そんななか高校を卒業して無職のアービーは、恋人のウェンディに振られた腹いせに、恋人が活動しているデモへのあてつけにアメリカン・チキン・バンカーで働く事になる。
だが、その場所は『先住民の呪い』と『殺された鶏の恨み』が融合して発生した有毒物質によってチキンが汚染されてしまい、チキンを食べた人間が次々と『鶏ゾンビ』と化していくという恐るべき場所だったのだ…
『アメリカ先住民の呪い』と『殺された鶏の恨み』が融合してフライドチキンを食べた人間が次々と『鶏ゾンビ』になっていくという、モンスターホラー映画。
「悪魔の毒々モンスター」でお馴染みの低予算映画の専門メーカーである『トロマ』による、いわゆる『毒々シリーズ』の最新作に当たる作品です。
つってもホントはそんなシリーズは無いんですが、まあここの映画は『全部がシリーズもの』と呼んでも良いレベルで似通った作品ばかりなので…
まあ『毒々シリーズ』のタイトルを冠するだけあって、良い意味でも悪い意味でも『いつものトロマ映画』と言う感じの作品ですなぁ…
と言ってもトロマ映画に『良い部分』があるのかどうかは悩ましい感じで、お馴染みの『最低のクズ映画』（誉め言葉）としか言いようが無いような内容です。
映画の中身は、いつもどおりに…と言うかいつも以上に『下ネタとグロと下品なパロディのオンパレード』といった感じでマトモなストーリーらしいストーリーは存在せず、むしろこの作品に『深いストーリー』や『重大なテーマ性』を見出すことが事が出来る人が居たら、ただちに脳の精密検査をオススメするようなレベル。
隙があれば無意味にエロいシーンとかグロいシーンを挿入しようとするし、ギャグとかネタとかも微妙すぎるネタが多くて、観ている人は四六時中『苦笑い』以外の表情をする余裕も無いでしょう。
主人公を含む登場人物が変態とアホとキ●ガイしか居ないし、口を開けば下品な話とかヤバいネタしか連発しないような感じだし、基本的に全員が徹底してボケを連発するだけなので感情移入出来るような気持ちとか全く沸きません。（唯一、ツッコミ役のヒロインのみがちょっとだけ良識人といった感じ？）
ただ、今回は特に下方面（主にウ●コとかゲロ）のネタが普段の作品よりもかなり多めなので、そういう方面が苦手だとちょっとキツいかも？（少なくとも食事をしながら観るような類の作品じゃありません。）
あと本作の特徴としては、何を思ったのかミュージカルっぽいノリが取り入れられており、登場人物たちが唐突に微妙にあんまり上手くない歌とかダンスを披露してくれる事かな…
ノリの良さ（というか悪ノリっぷり）を強調したかったのかもしれませんが、ぶっちゃけ蛇足っぽい感じで、実際にストーリーの後半で『鶏ゾンビ』が登場するようになると全く歌わなくなりますしね。（笑）
ちなみに『鶏ゾンビ』ってのは、普通のゾンビにクチバシだけ付いたようなものと、「14歳」のチキン・ジョージみたいな感じのものが登場し、後者の方はインパクト抜群で普通のホラー映画に出てても大丈夫ぐらいなレベル。
まあ特撮は全体的に物凄く安っぽいので、残虐シーンがテンコ盛りの割には全くリアリティが無いので笑い飛ばしながら観れるのは、ある意味で良い部分と言えるのかも？
全体的に下品すぎる事を除けば、下らないネタとムチャクチャなゴア描写の連発で楽しめる作品ではあるのですが、主人公が『空気の読めないアホ』のネタをあまりに繰り返しすぎるせいで後半はちょっとウザさを感じたかも？
総評としましては、一言で言ってしまうなら『いつもどおりに平常運転のトロマ映画』という感じの作品ですね。
とにかく『下品でグロで下らないヤバいネタを連発してるだけ』という感じの映画なので、そういう徹底して下らないノリが好きな人ならば楽しめる作品だと思います。
というか『いつものトロマ映画』が好きな人ならば見る価値はあるけど、そうでなければ１ミリたりとも観る価値の無い作品だと思うので、そういう意味では非常に判断しやすい作品ではないかと…
まだトロマの映画を観た事が無い人が『新規ジャンルを開拓の為に観てみたい』というのなら止める事はしませんが、観終わった後で『想像以上に酷すぎる！！』と文句を言われても当方では一切関知しかねますので、その場合は覚悟完了してから鑑賞してください。
