■■■「テリトリー・オブ・ザ・デッド」■■■
(30点/スリラー)
(30点/スリラー)
結婚を間近に控えたサムは、友人たちと共に独身最後を過ごすバチェラーパーティとして、郊外の森でイベント業者の企画するゾンビを題材としたサバイバルゲームに参加する事となる。
2チームに分かれて森の中を散策しながら、ゾンビに扮したスタッフたちと戦いつつゲームを楽しむ彼らだったが、そんな矢先にサムが誤ってスタッフの一人を本当に殺害してしまうという事故が発生。
彼らは死体を埋めてなんとかして事件を隠蔽しようとするが、予期せぬアクシデントが相次いで発生し、事件は予想外の事態へと発展していくのだった…
バチェラーパーティでゾンビを題材としたサバイバルゲームに参加した若者たちが、ふとした事故を切っ掛けに思いがけずに大きなトラブルへと巻き込まれていく…というコメディ風味のサスペンススリラー映画。
タイトルもパッケージもいかにもゾンビ映画って感じの作品ですが、その実態はゾンビ映画でもなんでもありません。
実際の中身の方は『ゾンビを題材としたサバイバルゲームに参加した若者たちが、思いがけないトラブルから予期せぬ事態へと巻き込まれていく』という感じの、なかなか面白い切り口のコメディ要素が強めのサスペンススリラー映画ですね。
…が、設定としては面白いのですが、内容の方は『色々な意味で酷い映画』としか言いようが無いような作品という印象。
お話としては『サバイバルゲームの最中に事故でスタッフを殺してしまった主人公たちがなんとかして事故を隠蔽しようとするんだけど、事故に気付いたスタッフたちが実は恐るべきサイコパスの戦闘狂集団で、彼らをガチに殺害しようと行動を開始し…』みたいな感じの展開。
設定だけ聞くとそこまで悪くない作品のように感じるのですが、何が色々と酷いってとにかく『事件に巻き込まれる主人公たちに同情の余地が微塵も感じられない』ということ。
主人公たちが事故とはいえ人を殺してしまったのに、殆ど何の罪悪感もなく事故を隠蔽しようとするようなクズ連中で、『なし崩し的に事件に巻き込まれていく』というよりも『保身のためだけに罪を重ねていく』という、ひたすら身勝手な行為を見せ続けられるような展開。
主人公たちのキャラクターも、矢鱈と下ネタを連発する『下品なだけの連中』という感じで特に魅力が感じられないですし、感情移入が1ミクロンも出来ないようなメンバーばかりで、個人的には観ていて非常にイライラさせらてしまいました。
ぶっちゃけ、この主人公たちに比べると、主人公たちを襲う『サイコパスの戦闘狂集団』の方がまだ常識的で感情移入が出来るレベルなので、自分は途中からは本気で主人公たちよりも主人公を襲う戦闘狂集団の方を応援していましたよ。
まあ、イギリス映画だけあってブラックジョークが強めなのは分かるのですが、イラつかされるだけの部分の方が多いうえにギャグも滑りがちで、コメディなのに全く笑えるような気分になれなかったのは困りものでした。
またお話の流れも、主人公たちがダラダラしてるだけのシーンが妙に長くてテンポが悪いですし、せめて無駄にイキオイだけでもある作品になっていれば、まだ観れる内容になっていたと思うんですけどねぇ…
総評としましては、どうにも『イマイチ感のただよう内容のコメディ風スリラー映画』って感じの作品です。
設定とかストーリーとかには個性的で面白い部分があるので、一風変わった設定が気になりつつ身勝手でムカつくキャラをコメディと割り切って楽しめる人であれば、チェックしてみても良いかもしれません。
そこまでクオリティが低い映画ではないのですが、自分にはちょっと合わない内容で、どうにも最後まで素直に楽しむことができませんでしたよ…