NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた」(55点/アクション)

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■■■「ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた」■■■
(55点/アクション)

 ある日、10年以上前に姿を消していた、『ファーザーズ・ディ キラー』の異名で知られる『父親』ばかりを狙う男色の連続殺人鬼・ファックマンが町に出現。
 父親たちを次々と殺害し始める。

 ファックマンによって父親を殺された青年・アンドリューを預かる事となったサリバン神父は、過去の同じように父親をファックマンに殺されて復讐を誓ったエイハブという男が居る事を知り、ファックマンを倒すために彼の助力を得る事となる。

 神父の話を聞いて町に戻る事となったエイハブは、同じように復讐のためにファックマンの事を調査し続ける妹のチェルシーの元を訪れるが…



 連続殺人鬼によって父親を殺された一人の男と青年が殺人鬼への復讐を企てるという、バイオレンスアクション映画。

 「マンボーグ」を作った映像集団『アストロン6』による新作で、『毒々モンスター』でお馴染みのトロマ社のロイド・カウフマンが「マンボーグ」をいたく気に入って全面協力の元に製作したという、色んな意味での話題作というか問題作という感じの作品ですね。

 アストロン6』と『トロマ』という時点で、その手の映画に詳しい人ならば想像が付くとおり色々とブッ飛んだ感じの内容です。

 タイトルだけ観ると割と普通のバイオレンスアクションものっぽいのですが、そこはトロマらしく相変わらずの下品なユーモアとエログロなネタが目白押しな印象。
 (ちなみにエログロと言っても『デブのオッサンが中年男性を切り刻みながらレイプする』というとでつもなくマニアックな内容なので、そちら方面で期待してもよほど特殊な性癖の人以外は楽しめないと思われます。(笑))

 それに加えてアストロン6の珍妙なセンスの映像が加わって、なんとも言えない独特のテイストを醸し(かもし)出しています。

 キャラクターも面白くて、矢鱈とカッコ付けてる主人公が妙にヘタレだったり、神父が何故か殺る気マンマンで無駄に強かったりとか、なかなかに個性的で良い感じ。

 ただ過剰なエログロ描写はあるにしても、中盤辺りまでは割と普通の復讐もののアクション映画的なノリで『そこまで変な内容でも無いじゃん?』って感じだったので、ちょっと期待はずれかと危惧しながら観てたのですが…

 ネタバレになるので詳しくは書きませんが、中盤からの超展開があまりにも予想の斜め上すぎて大笑いしてしまいしたよ。
 『そりゃそうだろ!!』って感じのブラックなオチもなかなかに良い感じ。

 でも、後半をここまでアナーキーでお馬鹿な内容にするんだったら、盤の展開ももうちょっとブッ飛んだ方向性でも良かったんじゃないかなぁ?
 序盤が中途半端にシリアスな構成のせいで『え、ここって笑うところなの?』って感じのシーンが幾つかあって、微妙にモニョっとしてしまったので…

 あとシュールなのは良いのですが、ところどろこでキャラクターの行動が理不尽すぎて、何をやってるんだか良く分からなくなるシーンがあるのはどうにかして欲しかったかな?(笑)


 総評としましては、『過剰にエログロでナンセンスでブラック』という良くも悪くも『いつものトロマらしい作品』という印象の映画ですね。

 トロマは超低予算でどうしようも無い作品も多いですが、本作は『低予算だけどそこそこ観れる良いトロマ映画』って感じ…

 アストロン6のテイストよりもトロマのテイストの方が強めなので、「悪魔の毒々モンスター」みたいないつものノリが好きな人ならばごく普通に楽しめる作品だと思いますが、逆にあのノリが好きじゃ無ければスルーしてしまった方が良いかも?

 まあ、アナーキーなノリのネタ映画を求めているのであれば最適な映画だと思いますので、そういうのに飢えてる方はチェックしておいて損は無い一本だと思いますよ。