■■■「マンボーグ」■■■
(55点/アクション)
近未来、地獄の門が開き人類と地獄軍団の戦いであるヘル・ウォーズが勃発。
ドラキュロン伯爵の率いる地獄軍団に敗れた人類は、悪魔たちに支配されて滅亡の危機に瀕していた。
そんな最中、ヘル・ウォーズによって兄を殺され自分自身も瀕死の重症を負った一人の兵士が、人造人間である『マンボーグ』として復活。
復活直後に、事態を理解できないうちに地獄軍団によって捕らえられた彼だったが、自分を作ったスコルピアス博士によって使命を知らされ、捕らえられている囚人達と共に地獄軍団へと叛旗を翻すのだった…
悪魔たちによって支配された未来世界で永い眠りから目覚めたサイボーグ戦士の『マンボーグ』が地獄軍団を相手に戦いを挑むという、SF風味のアクション映画。
なんでも『アストロン6』という、キッチュで悪趣味な映像作品を手がける集団によるSFアクション映画という事ですが、色んな意味でブッ飛んだ感じの作品ですね。
いわゆる『グラインドハウス』系の作品で、とにかく徹底して80年代をオマージュしたような感じの内容なのですが、今時らしからぬクレイアニメーションのモンスターとか、ノイズの乗ったフィルムとわざとらしい合成映像、レトロな印象のキャラクターデザインとか非常に良いセンスをしています。
加えてアクションシーンでは、手足がモゲたり頭がフッ飛んだりという『無駄に過剰なゴア描写』が連発されるんだけど、映像がチャチすぎて全く残酷に見えずに逆に微笑ましい感じで、80年代の『やり過ぎ系のスプラッタ特撮』が好きだった人には嬉しくなってくるような内容です。
ストーリーらしいストーリーは全く存在せずに、『マンボーグと囚人達がひたすら地獄軍団の悪魔と戦っているだけ』というシナリオの割り切りっぷりもなかなか良い感じ。
ただある意味でオマージュが完璧すぎて、どう見ても『80年代のZ級イロモノ映画』にしか見えない内容なので万人にオススメできる映画なのかと言われると非常に厳しいところ…
何も知らずに本作を観たら普通に30年ぐらい前の作品と勘違いされそうな雰囲気ですし、ストーリーの無さも『なんじゃこりゃ?』とツッコミを入れたくなるようなレベル。
そういう作品だと割り切って観る分には楽しいのですが、普通のアクションSFを期待してると悪い意味で度肝を抜かれてしまうかもしれません。
個人的には非常に楽しい映画だったんですけどね…
ちなみに、本作の最初と最後に入ってたフッテージ映像っぽい予告編の作品は本当に実在するんですかね?
なんかいかにもグラインドハウス系の『なんちゃって予告編』っぽかったのですが、実在するならそちらの作品も観てみたいなぁ。
総評としましては、良い意味でも悪い意味でも『物凄く悪趣味でバカバカしい映画』というのが正直な感想です。
そのバカバカしさを楽しめる人ならば普通に楽しい映画ですし、そうでなければ『ナンジャコリャ?』って感じの訳の分からない映画といった感じでしょう。
とりあえず合うか合わないかは予告編を観てみれば一目瞭然だと思いますので、この予告編を見て『面白そう!』と感じた人ならば本編を観ておいて損は無いですし、ナンジャコリャと思った人はスルーしてしまっても良い作品だと思いますよ。
>https://www.youtube.com/watch?v=Rfr5LFeXCQY