NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ピラミッド デビルズ・パワー」(10点/オカルト)

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■■■「ザ・ピラミッド デビルズ・パワー」■■■
(10点/オカルト)

 TVの取材で『暗黒のアート展』というオカルト関連のイベントを取材する事になったレポーターのレオは、イベント会場で見かけた古物商の売っていた『ピラミッドの形をしたオブジェ』に異様なまでに心を惹かれて購入。

 しかし、その夜にホテルで奇妙な幻覚と『門を開く鍵を作動させるために生贄を捧げろ』と言われて自分を生贄とする悪夢を観た後に、そのまま行方をくらませてしまう。

 その翌日に清掃員によって拾われたピラミッド型のオブジェは、彼の恋人でホラーイラスト作家の男性の下へともたらされるが、その場所でも次々と新たな不幸を振りまいていくのだった…



 人類の歴史に数多の不幸をもたらしてきたという悪魔の力の宿る『ピラミッド型のオブジェ』をめぐる恐怖を描いた、イタリア製のオカルトホラー映画。

 コレは…なんと言いますか、久々に『掴まされた!!』と言いたくなるレベルのどうしようもないクズ映画という感じの作品です。

 ホントにビックリするぐらいツマんなくて1.5倍速で観る事すらも苦痛で、久々に見てる途中で素で早送りしようか悩んでしまいましたよ…

 普段は駄作でもなるべく『良いところ』を探すようにしているのですが、ポリアンナも絶望に閉ざされて良いところを探すのを止めたくなるようなレベルの作品です。

 お話としては、4本ぐらいのショートストーリーの連作形式の作品で、『ピラミッド型のオブジェ』に関わることで不幸になっていく人々を描いているのですが、お話の繋がりが物凄く希薄な上に無理矢理な感じの展開が多くて、とにかくブツ切り感が酷いです。

 一つ一つのエピソードにオチらしいオチも無いし、エピソード毎に『だから何やねん?』とツッコミを入れたくなるような内容。

 序盤はテンポが悪いながらも「ヘルレイザー」のオマージュなので、それっぽい『不幸な犠牲者を描く連作』みたいになるのかと思って我慢して視聴できるのですが、中盤以降は何の脈絡も無く『ピラミッド型のオブジェ』の持ち主がゾンビ化してゾンビ映画になるという超展開。

 もう、ストーリーの繋がりが無理矢理すぎて何を描きたいのか訳が分からないような状態ですし、あまりに訳の分からない超展開のせいでストーリーが全く頭に入って来ません。

 …と言うかストーリーの関連性とか関係なく、単に監督が『「死霊のはらわた」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」のオマージュをやりたかっただけ』だと思うのですが、ぶっちゃけあまりに出来が酷いので監督各位に謝罪して欲しいレベル。

 またキーアイテムである『悪魔の力の宿ったピラミッド型のオブジェ』は「ヘルレイザー」の『パズルボックス』をオマージュしているのは良く分かるのですが、このデザインが物凄く安っぽくで全くセンスが微塵も感じられず、これまたヘルレイザー」のパズルボックスと同列に語るのが失礼な感じ…

 美術センスに加えて全体的な演出もセンスがなくて、中途半端にスタイリッシュに見せようとしている画面演出は滑りまくりで、ぶっちゃけ画面が観づらくてイライラするだけ。

 特撮のレベルもお粗末で、もしかしたら『80年代のB級ホラー』をオマージュしているのかもしれませんが『悪い部分』だけオマージュしていったいどうしたいのかと…

 オチも唐突すぎて『何がなにやら…』という状態ですし、本気で誉めるべき部分が思いつかないような作品ですが、敢えて言うなら『無理矢理すぎる名作ホラーのオマージュに苦笑いをする』ってぐらいでしょうかねぇ?


 総評としましては、久々にコレは酷いというレベルの『掛け値の無いクソ映画』としか言いようが無いような作品ですね。

 とりあえず人生の貴重な90分を無駄にしたく無ければ、間違いなくスルーしてしまった方が良い作品だと思います。

 クソ映画の蒐集癖があって『どうしてもクソっぷりを自分の目で確認しないと気が済まない』というのであれば観るのは止めませんが、ホントにネタ映画としても楽しめないような微妙さなので、その辺は自己責任でお願いします。