NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハゲタカゾンビ 感染注射」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「ハゲタカゾンビ 感染注射」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 森の中の秘密の施設で人体実験を行うマッドサイエンティストの元に捕らえられた一人の男が、妻と娘を実験で殺され自分自身も突然変異を起こすウィルスの注射をされて怪物と化してしまうが、何とか拘束を振りほどき科学者を殺害して研究所から逃走するが、森の中で力尽きて倒れてしまう。

 しかし肉をついばんだハゲタカの群れが怪物と化し、森の中でパーティを開いていた若者たちを襲い始めた事から、森の中はさながら地獄の様相と化して行くのだった…


 マッドサイエンティストの実験の影響で『ゾンビ化したハゲタカの群れ』が人間を襲うという、モンスターホラー映画。

 何か、タイトルからして『イロモノ感の漂うB級ホラー』って感じの作品ですが…

 なかなかどうして、何と言うかコレは『良い意味でのイロモノ映画』というか『良い意味でのゲテモノ映画』という感じの作品でした。

 いや、何と言うか色んな意味で『コレはダメだろ!!』って感じのコテコテな具合のゲテモノっぷりで、『矢鱈とグロいゾンビ化したハゲタカ』に相手が女子供でも容赦のない『過剰なまでの残虐描写』

 異常に執念深いマッドサイエンティストや、殆ど本編と関係のない『巨大ヒル』とか『畸形の科学者の助手』とかのキャラクターも良い味ですし、とにかく映画全体から『俺はグロいモンスター映画を撮りたかったんだ!!』と言わんばかりの、監督の執念にも似たパワフルさを感じる事が出来ます。

 単なる『ハゲタカをゾンビにしよう』というアイデアだけの映画かと思っていたのですが、コレはなかなかの掘り出し物ですね。

 グロいといっても低予算なので特撮とかは『作り物っぽさ丸出し』で割とチャチなのですが、もともと「ハゲタカ」という生き物自体が『作り物っぽい外見』をしているので、そこまでの違和感も無く、コレはイデアの勝利的な部分もあるかと…

 また、お話も『ハゲタカゾンビが暴れるだけ』の単なるモンスターパニック映画で終わらずに、後半で『味のある悪役キャラ』を絡めることで個性を感じさせる展開になっているのは、なかなかに上手い構成だと思いました。

 お話のテンポも非常に良く、序盤からグロイ見せ場がかなり豊富に用意されているので、非常に楽しんで観られたのですが、終盤のお話が盛り上がってきた部分で『長々とマッドサイエンティストの過去の遍歴』を語るシーンは、あの半分ぐらいの長さで良かったかも?
 (キャラ設定をシッカリと持たせたかったのでしょうが、流石にちょっと長すぎてダレそうになりましたよ。)


 総評としましては、物凄く変な表現ですが『良い意味での酷い映画』という感じの作品ですね。

 とてもじゃないですが、公にコレを他人に勧める勇気は無いですが、いかにもB級な『酷い出来』と『酷い内容』なんだけど、とにかく『味のある酷さ』を持った良作ホラーです。

 とにかく監督が『趣味丸出しで楽しんで作っている』のが感じられるという、ある意味で『B級ならではのホラー作品』と言える一本でしょう。

 あそこまでパワフルではないもののブレインデッド」とか、ドイツ製のゴア系ゾンビ映画とかの、グロ系のモンスター映画とかゾンビ映画とかが好きな人ならば、かなりの確率で楽しむ事が出来る作品だと思いますので、そういうジャンルが好きな人にはオススメですよ。