■■■「テラートレイン」■■■
(50点/スラッシャー)
東欧での遠征試合の後、地元のパーティーに呼ばれたアメリカの大学のレスリングチームの面々は、一夜を飲み明かした後に翌日の予定の時刻の列車に乗り遅れてしまう。
彼らは先に出発した他のメンバーへと追いつく為に、当初の目的地と行き先が同じと思われる後続の列車へと乗り込むが、その列車は何も知らずに乗り込んできた外国人たちを誘拐して、その臓器を抜き取るという恐るべき殺人列車だったのだった…
東欧の某国で怪しげな列車に乗った一行が臓器を抜き取られて殺されるという、スラッシャーホラー映画。
何と言いますか、一言で言ってしまうなら列車版「ホステル」という感じのお話ですな。
いわゆる、外国人がさらわれて臓器を抜き取られると言う『バックパッカーの都市伝説』のネタを題材とした、スプラッターもののホラー映画です。
「ホステル」のヒット以降はこの手の二番煎じ作品が後を絶たない感じで、もはや食傷気味な印象すらありますが…この手の作品というと東欧が舞台ってのは、やはり元ネタの都市伝説の舞台になぞらえてるのでしょうか?
逃げ場の無い列車の中で犠牲者達を誘拐して非合法に手術を行うって設定は、まあ確かに他には無かったシチュエーションですが、やってる事は『閉鎖環境』+『監禁もの』という感じなので、特に目新しさはありません。
「ホステル」と違ってお話の展開が非常に早くて、序盤から犠牲者が殺されまくるのでテンポが良いのは良いのですが、主要登場人物が6人しか居ないのに『序盤から人が殺されまくって大丈夫なのか?』と思いきや、終盤が逆にダレ気味な展開になってしまったのは『なんだかなぁ…』って感じです。
あと、主人公達がレスリング部の選手って設定なんだから、『1対1のシチュエーションとかなら普通の人よりも強いだろ?』って思うのですが、ロクに抵抗もせずに逃げ回った挙句に殺されていくって展開は、観ててちょっとストレスが溜まりました。
つか、オチ意外に『レスリング部』って設定が全く活かされてなかったのは、どうなのよ?って感じです。
また残虐描写も強めな内容なのですが、見せ方がイマイチなのか『あんまり痛々しく見えない』ので、全体的にイマイチ盛り上がりに欠けるのは残念なところ…
特撮のレベルやらの総合的な完成度は決して低くないのですが、二番煎じでオリジナリティが無い内容と、特に個性の感じられない悪役、コレと言った見所や盛り上がるシーンが無いという展開のお陰で、どうにも『印象の薄い映画』になってしまっているように感じました。
もうちょっと本作ならではの個性があれば、そこそこ良い作品になったと思うので、なんとも惜しい作品って感じでしたよ…
総評としましては、良くも悪くも『可も不可も無い「ホステル」の二番煎じ映画』って感じの作品です。
この手のジャンルの作品が好きならば観ておいても損はしないとは思いますが、『敢えてこの作品を推すほどの魅力的な要素』も見出せないってのが正直なところ。
まあ、内容につけ特撮につけ『全体的に及第点は満たしている』とは思うので、『気になる場合はお好みでどうぞ…』って感じの一本だと言えるでしょう。