NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビハーレム」(70点/モンスター:オススメ)

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■■■「ゾンビハーレム」■■■
(70点/モンスター:オススメ)

妻に逃げられたヴィンスを励ますために、彼の友人である6人の男たちが傷心旅行を企画する。

 それぞれに女性関係に問題を持つ彼らは、仲間の一人の故郷であり『女性の人口が男性のの4倍居る』という森の奥にあるムードリーという小さな町へと向かう事になる。

 しかし到着した町には人影が全く無く、町を徘徊するうちに街角で一人の軍人がホームレスらしき女性と格闘しているのを発見。

 彼らは争いを止めに入ろうとするが、女性が怪物のような姿になっているのを目撃し、実験によって『この町の全ての女性がゾンビ化する』という異常事態が発生しているという恐るべき事実を知らされるのだった…



 住民のうち『全ての女性がゾンビ化した町』で取り残された男たちが町からの脱出を図るという、モンスターホラー映画。

 先日観た「ゾンビランド」もなかなか良く出来たコメディホラーでしたが、本作もそれに負けないぐらいに良く出来た良作コメディホラーですな。
 このところ、ゾンビ系のコメディホラーの当たり年と言えるかも?

 「ショーン・オブ・ザ・デッド」と同じイギリス映画だけあって、系列やノリとしては「ショーン~」にちょっと近い感じですが、「ショーン~」や「ゾンビランド」よりも更におバカ度が高めの印象の作品ですね。

 『女性のみがゾンビ化する』という設定が既に馬鹿げているのですが、それ以外の部分でもかなりコメディ的な要素が強めの印象。
 ただしグロ度も結構高めで、むしろ『ひたすらグロくてひたすらおバカ』といったノリを予想していただければ、ほぼ間違いは無いかと…

 登場するゾンビたちが非常に個性的で、本作のゾンビは『少しゾンビ化する前の記憶や意識を持っている』ような設定で、何らかの『得物』を手にして襲い掛かってくるゾンビが多いのですが…
 その得物がいちいち『職業にちなんだ武器』になっており、『両手にハサミを持った理容師ゾンビ』や『ドリルを持った歯科医ゾンビ』や『道路標識を持った交通整備員ゾンビ』等と、まるで『ゾンビコスプレ大会』のような様相を呈しているのが笑わせてくれます。
 巨大なバスタードソードを振り回す『オカルトショップの店員ゾンビ』とか巨体を揺らしながら追ってくる『デブのオバサンゾンビ』とかビジュアル的にも強烈で、ゾンビの暴れっぷりを観ているだけでも非常に楽しい作品ですね。

 対する『男性陣のヘタレっぷり』も対照的に笑わせてくれる構成で、ロクな武器が無い状況でラジコンカーでゾンビの襲撃をしのいだりといった、イデアとノリの良さもなかなかのもの。
 『●●(ネタバレのため伏字)していると襲ってこない』という「ショーン・オブ・ザ・デッド」のオマージュ的なネタが仕込まれている辺りも『分かってやってるなぁ…』という感じですね。

 非常に作品のテンポも良く、ラストの無駄に熱い展開や『そんなんで良いのか?(笑)』とツッコミたくなるようなオチも個人的には好みでしたが、敢えて不満点を挙げるなら男性陣がやや個性に乏しくて、いま一つ『キャラクターが描き分けきれていない』ような部分が感じられたのは、ちょっとだけ気になったところかな?

 また英国流のジョークなのでしょうが、全体に仕込まれた『アンチフェミニスト的なネタ』は、本編中でここまでハッキリと描く必要は無かったかも…

 あと本作のパッケージやタイトルって、なんとなく『下らないお色気ホラー』に見えてしまう(実際にはお色気要素とか殆ど無い)せいで『パッケージで損している』気がするんですが、もうちょっとマシな邦題とかパッケージとかに出来なかったんかいな?
 (それこそ、「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ゾンビランド」を意識したパッケージとかにすれば良かったのに…)


 総評としましては、ダメそうなパッケージとはうらはらに『非常に良質なゾンビものコメディホラー映画』といった感じの作品ですね。

 レビュー中でも何度か触れてますが、ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ゾンビランドとノリ的にも近く、それらにも負けないぐらいにおバカで良く出来た作品ですので、そういったノリの映画が好きであれば間違いなく観ておいて損の無い一本だと思いますよ。

 英国のコメディなので少々アクの強い部分はありますが、むしろ『そういうアクの強さが大好物』で『グロいのに耐性があるならば是非』といった感じの作品でした。