NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春」(65点/コメディホラー:結構オススメ)

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■■■「ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春」■■■
(65点/コメディホラー:結構オススメ)

 ある日、救急車の中のような場所で目を覚ました雑誌ライターの青年のマイクは、自分が眠っている間に3年以上の時間が経過し、街がゾンビの大群と生き残った人間たちとに分かれて戦っている事を知る。

 民家に逃げ込もうとしたところを唐突に銃で撃たれて混乱する彼は、森の中で『会話のできるゾンビ』であるブレントに出会い、自分も実は彼と同じゾンビだけど意識のある『半分ゾンビ』の状態になっている事を知らされる。

 彼はその事実に衝撃を受けながらも、死の直前に恋人のエリーにプロポーズしようとしていた事を思い出した事から、一目だけでも彼女に会おうと彼女の住むミシガン州を目指して旅を始めるが、彼らの前にはゾンビを排除しようとする人間たちが恐るべき障害として立ちはだかるのだった。



 とある事情から『半分ゾンビ』となってしまった青年がかつての恋人に出会うために旅をするという、ゾンビもののコメディホラー映画。


 ゾンビとなった青年が恋人に出会うために旅をする話というと、少し前にも同じようなアイデアで「コリン」という映画がありましたが、コチラはキチンとしたホラー映画だった「コリン」とは違ってコメディ要素のかなり強めの内容ですね。

 本作の主人公はゾンビとは言いながらも普通に人間としての意識は保っており、単純に『血色が悪くて撃たれても死なない人』という感じなので、ぶっちゃけゾンビという印象は弱い無いかも?

 お話的には『ゾンビが主人公のロードムービーと言った感じの内容で、サブタイトルに死にぞこないの青い春』なんて付いてるだけあって、青春物っぽい要素の強い作品ですね。

 基本的にコメディとかパロディ要素の強めな感じで、序盤以降はあんまりホラー的な成分は無し。
 特に中盤以降はゾンビそのものも殆ど出てこなくなってしまう(まあ主人公たちがゾンビなので常に出っ放しという話もありますが)のは残念なところです。
 (中盤以降のゾンビ映画らしい部分と言えば、ゾンビらしく割と『グロ要素が強め』な事ぐらいかな?)

 コメディやパロディの要素は結構強くて、随所にクスリと笑わせてくれるようなネタがあって楽しいですし、主人公達のキャラクターも良く立っていて人間ドラマや青春ドラマとしても見所があるのは、なかなか良い感じなのですが…

 終盤の主人公がヒロインと再会してからの展開がちょっと冗長で、特に終盤以降はゾンビ映画である必然性』が全く無くなってしまうようなお話の流れになるのは、もうちょっとどうにかならんかったかなぁ?
 お話自体はそこそこ面白いんですけど、なんかゾンビ映画』的なノリを期待して観てると物凄い『コレじゃない感』が拭えない感じ…

 ラストも『そんなんで良いんか?』って感じの唐突なオチですし、謎解き要素も中途半端でどうにも消化不良な印象の残る作品になってしまってるのが惜しいですよ。
 オチぐらいは、もうちょっと『ゾンビ映画』らしく落として欲しかったかなぁ?


 総評としましては、最近流行りの『ゾンビもののコメディ映画』としては『なかなかの良作』といった感じの作品ですね。

 物足りない部分や不満点もありますが、その要素を差し引いても面白い部分や笑える部分も多いですし、まあ十分に満足できるレベルの作品と言えるでしょう。

 逆にゾンビ映画大好きで『ゾンビ要素』に強い期待を抱いていると、ちょっと肩透かしを食らわされるかもしれませんので、「ショーン・オブ・ザ・デッド」みたいな『ゾンビ映画にコメディ要素を上乗せした作品』というよりも『ゾンビ風味の青春映画』みたいなノリで鑑賞すると、ちょうど良い作品かもしれませんね。

 まあ、他に類を見ないタイプの作品ではありますし、この手のジャンルが好きで気になっているならば、とおりあえずチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。