■■■「インスタ・オブ・ザ・デッド」■■■
(45点/モンスター)
(45点/モンスター)
ドラッグの使用で逮捕された青年のランディは、薬物依存症を治療するために人里離れた郊外にあるリハビリ施設の農場へと送られる事となる。
スマホや通信手段を奪われ、外界から断絶された状態の施設でリハビリを受け始める事となった彼だったが、その施設はリハビリ施設とは名ばかりで、アル中の講師に、薬物依存症を抜けられない生徒、彼を追ってきたストーカーの元恋人という素行不良な面々の集まる、どうしようもない施設だった。
しかし、そんな矢先に施設にどこからともなくゾンビが襲撃。
映画のゾンビと違って異常に動きの素早いゾンビたちによって、次々と仲間たちが襲われるなか、施設の建物の中に追い詰められたランディとそのルームメイトのイーサンたちは、なんとかして施設から脱出しようと試みるが…
ゾンビに襲撃された薬物リハビリ施設の面々が、グデグデになりつつもなんとかして生き延びるために施設から脱出しようとする…という、モンスターホラー映画。
なんというか、パッと見た感じ『タイトルとパッケージのインパクトだけの一発ネタ的な作品』という感じではありますが、その印象のとおりに実際の内容も一発ネタ系のグテグテ映画という感じの作品ですね。(笑)
ただタイトルに「インスタ・オブ~」なんて付いてて、ゾンビとの自撮り写真なんかが描かれていたりするのですが、実際の本編の中ではこんなお話やらゾンビと自撮りするようなシーンはありません。
またインスタグラムに関しても、本編中でちょっとだけスマホ中毒的な事やSNSに関して話が出てくる程度でインスタ映え的な要素も無くて、ある意味で『パッケージ詐欺』といった印象。
(字幕セリフにはしょっちゅうスマホの話が出てくるのですが、英語を苦手な自分が見ても『ホントにそんなセリフ言ってるのかよ?』とツッコミを入れたくなるレベル。)
ただパッケージ詐欺的な作品ではあるものの、『超低予算のZ級ホラー映画』として割り切って観るなら、ネタ映画としてはそれなりに観れる内容だったりします。
お話としては『グデグデ管理人の管理する薬物依存症のリハビリ施設に入れられた若者たちが、突如として現れたゾンビの群れ襲撃をなんとかして逃れようとしてグデグデながらも行動を開始する…』みたいな感じで、全体的にかなりコメディ要素が強めな印象。
ところどころに挟まれるしょうもないギャグが、ほんとうにしょうもないんだけど『しょうもなさすぎて逆に笑える』というレベルに仕上がっているのは、なかなかに好感触です。
またゾンビの特撮とかも酷いもので、殆どのシーンがゾンビは『具合の悪そうなメイクと血糊のみ』という学生の自主製作映画かと思うような完成度。
ここまで酷いと逆に色々と察してしまえるレベルで、例えば終盤で『主人公がゾンビに襲撃されて腕を噛まれるシーン』があるのですが、血が出ているのに噛まれた主人公のシャツが破れておらず『ああ、スタッフの私物だから破りたくなかったのね…』とかって具合に観ていてむしろ気を遣ってしまいましたよ。(笑)
ただ、映画としての完成度は非常に低いものの、先述の要所要所のしょうもないギャグと全体的なテンポの良さのお陰で割とサクサクと観れてしまい、観ていてあまりストレスを感じないのほ良い感じ。
ストーリー的にも終盤の唐突過ぎる黒幕の登場やら、ラストの何が言いたいのか良く分からない投げっぱなしオチやら色々とツッコミどころも多いのですが、『まあ、ここまでグテグテだとコレでもいいか?』と感じてしまって、酷い内容なんだけど割とおおらかな心で許せてしまうような映画ではないかと…
あと、途中で出てきた『矢鱈と強いオカマっぽいオバサン』がラストまで何者か良く分からなかったのですが、アレって何か本国では分かる元ネタ的なものがあるんですかね?(日本で言うところのマツコデラックスみたいなキャラとか?)
総評としましては、酷い出来なんだけど『そういうものだと割り切って観ればそれなりに楽しめるコメディホラー映画』って感じの作品ですね。
最初から『超低予算のZ級映画』を観るつもりで鑑賞すれば、ネタ映画としてはツッコミどころもダメ要素も豊富でそこそこ良い作品だと思いますので、そういう映画を求めているのであればまあまあオススメできる一本ではないかと…