NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ・レックス ~ジュラシック・デッド~」(12点/モンスター)

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■■■「ゾンビ・レックス ~ジュラシック・デッド~」■■■
(12点/モンスター)

 近未来、生物をゾンビ化して復活させる血清を発明するも、その過激で病んだ思想から軍を追放された狂気の科学者ボーグ博士は、軍の秘密基地を占拠しゾンビ恐竜である『Z-REX』を解き放つ事で世界を壊滅させようと目論んでいた。

 軍は彼の野望を阻止するために5人の特殊部隊を基地へと派遣するが、そんな矢先に地球に衝突した隕石によって発生した電磁パルスによって全ての電子機器が破壊されるという事件が発生。

 同じ頃、キャンプに向かっていた大学生のヴィンスたちは、唐突に発生した電磁パルスの影響で車が故障し砂漠で立ち往生してしまったことから、近くで発見した軍事基地に助けを求めて訪れるが、その場所は狂気の科学者ボーグ博士の潜伏する秘密基地だった…



 世界滅亡を目論む狂気の科学者の秘密基地に侵入した5人の特殊部隊員と4人の学生たちが、科学者の作り出した『ゾンビ・レックス』の襲撃を受けるという、モンスターパニック映画。

 これはまた、なんというか久々に『掛け値なしのクソ映画』って感じの作品を引き当ててしまいました。

 この手の映画にありがちな話ですが、色んな意味で『なんじゃコリャ?』としか言いようが無いような作品です。

 まあ、とにかくストーリーも設定もグテグテすぎて、ツッコミどころが満載…というか『ツッコミどころしか見当たらない』ような映画という印象。

 お話としては、『地球への隕石の衝突による電磁パルスによって、全米で全ての電子機器が破壊されて、狂気の科学者が混乱に乗じてゾンビ・レックスを解き放とうと目論む』みたいな設定で、それを阻止するために特殊部隊が活躍するという感じの流れ(大学生たちは主に食われるための要員みたいな扱い)なのですが…

 この狂気の科学者が隕石の落下を知ったのが『古文書の予言を解析したから』という意味不明の設定で、初っ端から『いやいや、科学者なら科学の力でなんとかしろよ!!』というツッコミを入れざるを得ません。

 隕石による電磁パルスもたいそう派手な設定の割には、実質的に『大学生たちの車が故障した』のと『特殊部隊のヘリコプターが墜落した』ぐらいにしか役に立っておらず、色々と無駄のありすぎる設定という印象。
 (ラストシーンとかでも街の電力も普通に復旧してたし…)

 そもそも『ゾンビ化したティラノサウルスなんて物騒な怪物が居るなら別に混乱に乗じる必要すたないだろ…』という気がするのは自分だけ?

 登場するゾンビ・レックス(ティラノサウルス)は、CGとパペットの組み合わせっぽい特撮なのですが、このCGや合成がショボくて物凄く小さそうに見えて全く迫力がありません。

 というかティラノサウルスという設定の割には、どう見ても3~4mぐらいしか無くて、そもそも『それ、サイズ的にティラノサウルスじゃなくない?』というツッコミを入れざるを得ません。

 しかもこのゾンビ・レックスが、ショボい割にはそこそこ予算がかかっているのか、あまり登場シーンが多くなくて見せ場が少ないのは困りもの。

 見せ場じゃないシーンは、登場人物たちのダラダラとしたやり取りや、ゾンビ化した特殊部隊のマッチョたちが暴れているという感じなのですが…
 ただ、この『ゾンビ化したマッチョ』たちがどう見てもゾンビ・レックスよりも強そうでインパクトがあるのは本作最大の見どころであり笑いどころかも?

 ただ、そのマッチョゾンビもそこまで見せ場が多いわけでもなく、全体的にとにかくテンポが悪くてどうにも盛り上がらないんですよね。

 というか盛り上がるべきゾンビ・レックスの襲撃シーンも、映像がショボすぎなうえに、迫力皆無で何の盛り上がりもないまま次々と仲間が殺されていくだけなのが困りもの。

 そんな風にツッコミどころ満載でも、せめてキャラが立ってれば面白いのかもしれませんが、キャラクターも登場人物の全員が全く魅力が感じられないイラつく連中ばかりで、とにかく全体的に見ていて苦痛の部分が多すぎます。

 狂気の科学者も、天才みたいな設定の割には無策のまま基地の中をウロついてて勝手にゾンビ・レックス食われて死ぬという意味不明っぷりですし…(いやまあ、ある意味で『狂気』とは言えるかも?)

 オチも何が言いたいのか分からないグテグテっぷりですし、もうとにかくツッコミどころが多すぎて、ツッコまずにすむ部分を探すのが困難なぐらいに、なかなか強烈な内容の映画でしたよ…


 総評としましては、掛け値なしに酷い出来の『Z級レベルの低予算モンスターホラー映画』って感じの作品です。

 ただ、ダメすぎて『ネタとして昇華できるレベル』に到達しているので、ネタ映画として『ツッコミどころ満載の駄作』を求めているのであれば、チェックしてみるのも悪くないかもしれません。

 逆に、そうでなければ頭痛を覚えるレベルで意味不明の作品ですので、普通にスルーしてしまって問題のない一本という感じでしょう…