NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「オクス駅お化け」(65点/オカルト:結構オススメ)

■■■「オクス駅お化け」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)


 ゴシップ誌であるデイリーモートの新人記者であるキム・ナヨンは、アクセス数の伸びる『バズる記事』を書くためにネタを探していたところ、誰も近づかない筈の地下鉄の廃駅『オクス駅』で、奇妙な事故や自殺者が多発している事を知る。


 駅で不気味な『子供の姿』を目撃したという駅職員の友人の証言を元に、事件の関係者に取材や聞き込みを続けていったところ、かつて地下鉄の工事の際に埋められた『井戸』に何か秘密があるのではないかと突き止める事に成功するが、事件の調査を契機に彼女の周りでは次々と不気味な現象が起こるようになっていき…

 


 とあるゴシップ誌の記者が『廃駅になった地下鉄の駅での奇妙な死亡事件』に関して調査していたところ、思いがけない恐るべき事実が判明していく…というサスペンス風味の韓国製オカルトホラー映画。


 韓国製のホラー映画って割とJホラーの影響を受けてる作品が多い印象ですが、本作はいかにも「リング」っぽい演出やら設定やらが多くて、『オマージュにしても流石に影響を受けすぎやろ』と思いきや…


 なんでも本作は、日韓協力体制で「リング」シリーズの脚本家や「貞子vs伽椰子」の監督である白石晃士が制作に関わって作られた作品だという事で、異常に共通点が多いのも納得という感じです。


 お話としては『とあるゴシップ誌の新人記者が、アクセス数を稼ぐために廃駅である「オクス駅」で続発する奇妙な死亡事故や自殺を調査して記事を書く事になるんだけど、調査が進むうちに駅で正体不明の「子供の霊」やら不気味な現象が相次いで起こるようになっていき、やがてかつてのオクス駅の建設にまつわる恐ろしい秘密が明らかになっていく…』みたいな感じの展開。


 前述のとおり「リング」シリーズにかなり影響を受けていることが感じられるような内容で、プロットやらビジュアルやらで「リング」を想起させるようなシーンが結構多めの印象。


 ただ、テイスト的には「リング」に似ている部分が多いものの、ストーリーやらギミックに関してはかなりの独自性を持った内容になっており、キチンと別のベクトルで楽しめる作品になっているのは良い感じです。


 特にお話のメインである『謎解きパート』が非常に秀逸で、不自然な『相次ぐ自殺と事故』の謎を追ううちに、事件のカギとなる『子供たちの霊』やら『隠された謎の施設』やらにお話が派生していくという展開は、オカルトならずともサスペンスとして普通に面白いです。


 終盤の、ちょっとしたドンデン返し的な展開も良くできていますし、ラストまでひたすらハイテンションで貫き通すという構成も好感触。


 また『子供たちの霊の集団』というのも、今までのJホラーとかではあまり観なかったビジュアルですし、子供らしい『何を考えているのか分からない不気味さ』が上手く作用しており、なかなか怖くて良い感じ。


 ただ、前述のとおりJホラー(特に「リング」)をリスペクトしている要素や、影響を受けている部分が強すぎて、テイスト的に『どこかで見たようなシーン』がやたらと出てくるため、既視感が強すぎて目新しさに欠けるのは残念なところ…


 あと、犠牲者の数も意外と少ないうえに残虐シーンも控え目なので、本作のテイストとしてはもう少しグロいシーンやらエグいシーンが多くても良かったんじゃないかな…という気はしますよ。


 オチに関しても、いかにも白石晃士監督が関わってるらしい、無駄にスタイリッシュでカッコ良いオチですし、個人的にはなかなか良い作品に仕上がっているんじゃないかと思いますよ。

 


 総評としましては、なかなか良くできた『普通に楽しめるレベルの韓国製のオカルトホラー映画』って感じですね。


 「リング」とかのJホラー系の作品が好きな人であれば、『新機軸のJホラーテイスト作品』として楽しめる内容となっていると思いますので、そういう作品が好きであれば十分にオススメ出来るレベルではないかと…


 そこまでの目新しさとかは無いものの、本作ならではのキャラや個性はしっかりと出されており『安定して観れる内容のオカルト映画』という感じですので、『予告とかを観て気になっているようであればどうぞ』という感じの一本ではないでしょうか?