NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「テリファイド」(55点/オカルト)

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■■■「テリファイド」■■■
(55点/オカルト)

 ブエノスアイレスのとある住宅街で、とある男性がポルターガイスト現象によって妻を殺されるという事件が発生。
 夫は、妻が『排水溝から奇妙な声を聴いた』という謎の証言をする。

 この住宅街では、霊が目撃された家で住民が行方不明になったり、子供の死体が墓地から帰ってきたりといって異常な事件が相次いで発生していた事から、刑事のハノは同僚のフネス、超常現象の専門家であるアルフレック博士らと協力して、謎の現象の調査を開始する。

 しかし調査を開始した彼らの前て、彼らの想像を超える奇妙な現象が相次いで発生していき…



 怪奇現象の相次ぐ住宅街で心霊現象の調査を開始した警察と調査チームが、次々と想像を超える恐るべき現象に巻き込まれていく…という、オカルトホラー映画。

 アルゼンチン製のオカルトホラー映画というなかなか珍しい組み合わせの作品ですが、珍しい組み合わせだけあって他では見られない面白いテイストの作品になっています。

 特に全体的なホラー描写や演出が非常に個性的で、ハリウッドホラーともJホラーともまた違う感じの、あまりお目にかかった事が無いような雰囲気になっているのは良いですね。

 子供の死体が帰ってきて食卓が準備されているシーンとか、特定の角度からしか見えない幽霊とか、他に無い感じの演出ですが非常にシュールで不気味なうえにキチンと怖く描かれているのが良い感じです。

 あと、登場する幽霊が何故か『全裸の爺さん』の姿をしているので、『そりゃ、そんなのがベッドの下やらクローゼットの中に潜んでたら怖いわ!!』と、別の意味で戦慄させられましたよ。(笑)

 心霊調査チームの調査方法なんかも、なんとなく「ヘルハウス」を思い出させるレトロな雰囲気(リスペクトしてるのかな?)で良い味を出していますし、オカルト設定も単なる『呪われた家』やらではなくてなかなか個性的な設定になっているため、お話の先が読めない面白さがあるのは良いですね。


 ただ、個性的な設定の割には『全体的に説明不足すぎる』のは困りもの。

 中盤までの不気味な雰囲気はなかなか怖くて良い感じなのですが、中盤からの謎解きからの展開に訳が分からない部分が多すぎです。

 ややネタバレになってしまいますが、クトゥルフ神話的な超次元的な設定やら、「インシディアス」的な異界もの的な世界観が描きたかったのかもしれませんが、もうちょっと説明があっても良かった気はしますよ。

 心霊調査チームも、割とガチで取り組んでいる雰囲気の割には何の見せ場も無いですし、肝心の幽霊たちもビジュアルが強烈な割には影が薄くて、いま一つ印象に残らないのは困りもの。

 ラストも何がどうなったのか良く分からないですし、設定に凝るのであればもう少し分かりやすい作りにするなりして、『もっとスッキリと観れる作品にならなかったもんかなぁ…』というのが正直なところでしたよ。


 総評としましては、やや物足りなさはあるものの『なかなか個性的で悪くない雰囲気のオカルトホラー映画』という感じですね。

 色々と説明不足は多いですが、映像表現やホラー演出に観るべきところも多く、思った以上に楽しめた作品ではありました。

 『幽霊屋敷調査もの』とかが好きであれば割と楽しめる内容になっていると思いますので、気になるならばチェックしておいても損はない一本だと思いますよ。