■■■「悪霊館」■■■
(50点/サスペンス)
幼いころに母が謎の失踪を遂げ、荒れた父に虐待されてトラウマを抱えて成長したジョーダンとアシュリーの姉妹。
それから10年後、生まれ故郷の町を離れて暮らしていた2人だったが、姉のジョーダンは大学に進学した事から、高校生になったアシュリーは叔母のターニャの元に引き取られる形で故郷の町へと帰ってくる事となる。
かつての実家で過ごすうちに心霊現象のような奇妙な現象に相次いで遭遇したアシュリーは、行方不明だった母の霊が帰ってきたのではないかと考えて友人のハンナと共に降霊術の実験を行うが、そこに現れたのは母ではない恐ろしい『何ものか』だった…
精神を病んで行方不明になった母の影響でトラウマを抱えた少女が、母の霊を呼び出そうとして恐ろしい『何ものか』の存在を呼び出してしまう…というオカルトホラー映画。
いわゆる『悪魔憑き』を題材とした、実話をベースとしたフィクション系の作品ですが、『こんな話、実際にあるのかよ?』とツッコミを入れたくなるようなアクロバティックな内容なので、本作に限らずどこまでが実話をベースとしているのかは微妙なところですね。(笑)
まあそれはさておき、お話としては『故郷の実家に帰ってきた高校生の少女が、実家で心霊体験をした事から行方不明になった母の霊を呼び出そうとしてみたたところ、予想だにしない邪悪な存在が呼び出されてしまい…』といった感じのストーリー。
序盤はゴシックホラーテイストの大人しめの展開で、恐怖演出も非常にオーソドックスな印象。
ですので、てっきりオーソドックスなオカルト映画的なお話なのかなと思いきや、終盤から矢鱈とパワフルなとんでもない展開に突入していくのは意外性があってなかなか面白いです。
序盤~中盤にかけてのオカルト演出も悪くない感じですし、先の読めないミスリードを誘うような構成もなかなか上手いですし、また本筋には関係ないですがヒロインや主要登場人物が割と可愛いのも良い感じですね。
ただ怖がらせるための演出がちょっと粗削りな感じで、いまひとつ怖さが足りないのは残念なところですかね…
終盤にかけての『悪魔祓い』をモチーフとしたパワフルな展開も、「エクソシスト」を意識したオマージュ色の強い内容になっており、映像にもそれなりに迫力があり見応えがあります。
ただ迫力はあるのですが、終盤の尺が短くて見せ場となるシーンが少ないのでやや物足りなさを感じてしまったのは残念なところ。
あと終盤の予想外の展開は良かったのですが、ラストが唐突すぎるうえに物凄い投げっぱなしな終わり方で、個人的に『えっ?』って感じになってしまったので、オチは『もうちょっとどうにかならなかったものかなぁ…』というのが正直な感想ですよ。
あと本作の内容とは関係ないですが、本作の感想を書くためにネットで「悪霊館」でタイトルを検索したら、5本ぐらい同じようなジャンルの別作品がヒットしたのには、ちょっと笑ってしまいました。
流石に『死霊館』の親戚みたいな館が多すぎじゃないですかね…(笑)
総評としましては、粗削りながらも『それなりに勢いや意外性もあって、まあまあ楽しめる内容のオカルトホラー映画』って感じの作品です。
『投げっぱなしすぎるオチ』にさえ目をつぶれば、悪くない部分や観るべき部分もそこそこある内容という印象の一本でした。
強く推すまではいかないものの、この手のジャンルが好きで気になるのであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。