NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マーダー・ドライブ」(45点/オカルト)

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■■■「マーダー・ドライブ」■■■
(45点/オカルト)

 妻を亡くしたチャーリーは、ある切っ掛けで不仲になった家族の関係を修復するために、息子夫婦のスティーヴらの一家と共に中古のキャンピングカーで家族旅行に出る事となる。

 荒野を移動中に車の故障で立ち往生しているマークとサムの兄妹を発見した彼らは、2人をキャンピングカーに乗せて旅を再開するが、突如として何者かにアクセルを踏まれているかのように車が暴走をはじめ事故を起こしてしまい、その事故でマークは命を落としてしまう。

 さらに彼らの車も故障してしまい、彼ら自身も荒野で立ち往生する事となってしまうが、そんななか、彼らはキャンピングカーの中に自分たち以外の何者かの奇妙な気配を感じはじめ…



 呪われたキャンピングカーで旅行をする事となった家族が車に取り憑いた連続殺人鬼の悪霊によって命を狙われるという、オカルトホラー映画。

 いわゆる『呪いの車』を題材にしたオカルトホラー映画ですが、キャンピングカーが題材というのはちょっと珍しいですね。
 車&家という事から、『呪いの車』と『呪いの家』の中間みたいな雰囲気の設定という感じです。

 お話としては『とある家族が中古のキャンピングカーを購入して旅行に出るんだけど、実はそのキャンピングカーは死んだ連続殺人鬼の使っていた呪われた車で、車に乗った彼らは呪いによって命を狙われる事となり…』といった感じのストーリー。

 車&家という複合的なシチュエーションではありながらも、プロット自体はその2つをそのまま組み合わせた感じなのでそこまで目新しい印象はなくて、割とオーソドックスな展開で『孤立無援の荒野で呪われたキャンピングカーに捕らわれた人々がなんとかして脱出しようとする』という閉鎖環境タイプのオカルト映画という印象。

 オーソドックスな作りながらもオカルトとしての雰囲気は悪くなくて、特に事件が起こる際の『何かが起こる前の予兆』みたいなシーンの演出はなかなか緊張感があって怖いです。

 また、悪霊の女、子供であろうと何の容赦もなく殺すという、理不尽な暴力っぷりや絶望感もそこそこ良い感じ。

 ただ、雰囲気とかには良い部分があるのですが、肝心の残虐シーンや霊の出現するシーンのホラー描写や迫力がいま一つで、あまり怖さが感じられないのは困りもの。

 不気味というよりはエキセントリックな雰囲気の殺人鬼の霊も『狂気の殺人鬼』みたいなキャラクターを演出したかったんだと思うんだけど、クレイジーというよりも単なる『ファンキーなオッサン』にしか見えなくてどうにも迫力がありません。

 あと洋画にありがちなパターンですが、霊のくせに物理攻撃に頼りすぎ(悪霊なおに直接乗り込んできて首を絞めて殺しに来るとか)なのはいかがなものかと…(笑)

 霊の正体とかのお話の核心に迫るのがかなり終盤になってからなので、終盤あたりまでちょっとモヤモヤする部分が多くて、テンポの悪さを感じるんですよね。

 また、終盤の絶望感は良い感じなのにラストは妙に投げっぱなしで、良くも悪くもスッキリしない終わり方なのも残念なところだったかなぁ?


 総評としましては、それなりに観れるレベルではあるんだけど『いま一つ印象に残らない感じのオカルトホラー映画』ですね。

 悪くない要素もあるんだけどパッとしない部分も多くて、どうにも盛り上がりに欠けるというかノリきれない印象の作品でしたよ。

 まあツマんないという訳でもないので気になるのであればチェックしてみても良いかもしれませんが、急がないのであればネット配信とかそういうタイミングを待ってみても良い程度の一本かもしれません。