NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「女霊館」(40点/オカルト)

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■■■「女霊館」■■■
(40点/オカルト)

 出産を間近に控えたリサは、大学教授の夫のアダムと共に田舎町の郊外にある新居に引っ越してくる。

 引っ越し祝いとしてスピリチュアルな趣味を持つ妹のベッキーから『繁栄の箱』という奇妙なアンティークの箱を受け取った彼女は、その箱を開けてみるが中には何も入っていなかった。

 しかし、その箱を開けてから奇妙な心霊現象に悩まされるようになった彼女は、原因不明の事故により流産。

 更に異常な現象が引き続いて起こった事から、アダムの大学の超常現象の研究家であるクラーク教授に調査を依頼したところ、彼女の周りで起こっている現象は『繁栄の箱』に閉じ込められていた強力な4人の女性の霊の仕業である事が判明し…



 妊娠中の女性が奇妙なアンティークの箱を開けたところ、そこに閉じ込められていた恐るべき悪霊の力によって恐怖にさらされる…という、オカルトホラー映画。

 なんか「女優霊」と「死霊館」を足して2で割ったようなタイトルの作品ですが、系列的にはどちらともそこまで似ている雰囲気でもなくて、『呪いの箱』によって引き起こされる恐怖を描いた『呪いのアイテム系のオカルトホラー映画』という感じの作品です。

 お話としては、『「繁栄の箱」という奇妙な箱をスピリチュアル趣味の妹から受け取った姉が、その箱に込められた呪いのせいで家族総ぐるみで恐るべき恐怖にさらされる』みたいな感じの展開。

 この『繁栄の箱』から出てくる幽霊が4人の女性の姿をしているので「女霊館」というタイトルになっているようですが…
 なんというかウリであるはずの女性の霊が、ぶっちゃけあまり怖くないのが困りもの。

 オカルト描写も全体的に緊張感がなくて盛り上がりに欠けますし、『女の幽霊』をメインのモチーフとしている割にはどうにも映像が迫力不足インパクトに欠けます。(女性の幽霊は東西問わずにビジュアルにインパクトのあるキャラが多いですからね…)

 むしろ、リビングに飾られている絵が徐々に変わって行く描写や、鏡の中の自分が別の行動を取る描写といった地味な要素の方が不気味で怖かったので、いま一つ題材を活かしきれていない感があるんですよね…

 また、メインの題材である『繁栄の箱』がどういうものなのかがいま一つ説明不足で、幽霊も何がしたいんだか判然とせずに観ていても着地点が見えなくてどうにもモヤモヤしてしまうのも困りもの。

 そもそも『繁栄の箱』なんてラッキーアイテムっぽいものの中に何でそんな悪霊が閉じ込められていたのかも良く分からないですし、加えて『箱から出てきた4人の女性の霊』がどういう存在なのかが最後まで良く分からなかったのは、自分だけですかね?
 (結局『流産した娘の霊が姿を変えたもの』なのか『今まで殺されてきた女性たちの霊』の姿なのかが、自分には良く分かりませんでしたよ…)

 逆に『ヒロインや夫が精神的に追い詰められていく様子』は、まあまあ良く描かれており、サイコホラーとしてはそこそこ良く出来ている印象なので、どうにも描きたい雰囲気と作品の方向性にアンマッチさを感じてしまうような作品でしたよ…


 総評としましては、『いま一つ盛り上がりに欠けるオカルトホラー映画』という感じの作品です。

 そこまで悪い出来では無いものの、「女優霊」とかみたいな『女幽霊の怖さ』みたいな描写に期待していると肩透かしを食らうかもしれませんので、タイトルに釣られて観るとちょっとガッカリしてしまうかも?

 あまり推すほどの要素もありませんし、急がないのであればネット配信系のサイトとかで観れるようになってからチェックする程度でも良い作品かもしれませんよ。