■■■「祟り蛇ナーク」■■■
(55点/オカルト)
(55点/オカルト)
25歳になって以来、仕事をクビになったうえに乗っているバスが事故を起こして友人を失うというトラブル続きのノーンは、信心深い父から『厄年のせいではないか』と言われ、父の勧めで厄払いのために出家する事となる。
同じ事故に巻き込まれた幼馴染のバルーン、ファーストらと一緒に山奥にある『タムナーカーミニット寺院』という寺で出家志願者(ナーク)の修業を開始するが、修行をはじめた直後から次々と怪奇現象が続発。
彼らは不気味なものを感じるようになるが、そんな矢先にこの場所が『出家に訪れた若者たちが悪霊に襲われて次々と命を落とす』という『呪われた寺院』である事を知らされ…
厄払いのために出家する事になった若者たちが、修行先の寺院で恐るべき悪霊に命を狙われるという、タイ製のオカルトホラー映画。
タイトルだけ聞くと、なんとなく大蛇とか蛇人間みたいなモンスターが登場する作品のような印象を受けますが、実際の中身の方は『とある寺院にかけられた悪霊の呪い』を題材としたオカルトサスペンス映画です。
ちなみに、パッケージイラストの後ろの方に書かれている怖い顔のお姉ちゃん(?)は、単純に『顔が怖い』という理由だけで描かれており、本編の悪霊とはあまり関係ありません。
いや、なんでそこに描いた!!
お話としては、本格的なオカルトホラーという感じではなく、かなりコメディ要素が強めな内容で、主人公と一緒に修行する友人が何故か二人ともオネエだったり『志村、うしろ~!!』的な古典的なギャグをやってみたりと、作風としては割と軽めの印象。
そんな感じなのでオカルトとしての怖さは薄いですが、合間にそういった『しょうもないギャグ』を挟むことで割とテンポ良く観れるような作りになっているのは良い感じ。
いかんせん、このギャグのセンスが古めな事もあって、殆どのギャグはたいして笑える訳でもないので観ていて若干寒い部分があるのは困りもの。
ぶっちゃけ『寒いギャグ』とかが苦手な人だと、ちょっと辛い作品かも?
しかし、軽いノリの割にはオカルト表現に関してはところどころに観るべき要素はあって、序盤に登場する『首なし行列』とかは不気味で良い味を出していますし、主人公たちを襲う『悪霊』も無駄にカッコ良くて良いキャラをしています。
ただ、ストーリー的には謎の核心に迫るまでの部分がかなり長めなせいで、どうにも冗長に感じる部分があるのは難点ですが、終盤の『ちょっと良い話』的な展開は良い感じで、少しだけウルっとさせられてしまいました。
あと、お話の落としどころも悪くなかったと思うのですが、ラストのオチのシーンはちょっと蛇足だったかも?(蛇だけに…)
総評としましては、そこそこシッカリと作られた『コメディ要素強めのオカルトサスペンス映画』ですね。
『タイ製のオカルトホラー』というのが既に割とレアな存在ですし、完成度も低くないですので、ジャンルとして気になるようであればチェックしておいても損はない一本でしょう。
ただ先述のとおり、ネタとして割と古いセンスの寒めのギャグが多いので、そういうのが苦手な人にはちょっと辛い作品かもしれませんよ…