NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ネイルズ ―悪霊病棟―」(50点/オカルト)

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■■■「ネイルズ ―悪霊病棟―」■■■
(50点/オカルト)

 陸上競技のコーチであるディナは、ある日、自動車事故にあってホープウェル病院という古びた病院に緊急入院する事となる。

 生死の境をさまよった後に2週間後に目を覚ました彼女は、ほぼ全身が動かせずに人口呼吸器のせいで喋る事も出来ない状態の自分にショックを受けるが、看護師や夫や娘たちの回復を見せていく。

 しかしそんなある日に、病室のクローゼットから不気味な痩せた人影が何度も出現し、眠っている彼女を襲おうとするという事件が発生。

 医師は自己のストレスから幻覚を見たのではないかと言うが、怪人の存在が幻だとは思えない彼女が病院の過去を調査したところ、30年以上前にこの病院で『全身麻痺の少女を狙った看護師による連続殺人事件』があり、その犯人がこの病室のクローゼットで自殺していた事を知る…



 交通事故で臨死体験の後に古びた病院に入院する事になった女性が、病室に出現する謎の悪霊によって命を狙われるという、アイルランド製のオカルトホラー映画。

 『古びた病院に入院した女性が、かつてこの病院に居た殺人鬼の悪霊に襲われる』という割とオーソドックスな感じの設定のオカルト映画ですが、実際の中身の方もオーソドックスな内容の作品という感じですね。

 お話としては、『交通事故の怪我のせいでベッドから動けなくなった女性が幽霊に襲われるものの、周りの人間からは幻覚だと思われて信頼して貰えず、恐怖とストレスから徐々に追い詰められていく』というような感じの展開。

 古びた感じの病院の雰囲気やら、『ベッドから動けずに自発的に行動を起こせないヒロインが悪霊に襲われて精神的に徐々に追い詰められていく』という構成がなかなか良く出来ており、悪霊に襲われても誰も味方になってくれないというもどかしい感じが面白いですね。
 良い感じに『恐怖によるストレス』を感じる事が出来る作品という印象。

 殺人鬼の正体に関する謎解きもなかなか面白くて、『なぜ彼女にのみ悪霊の姿が見えて、なぜ悪霊によって命を狙われるのか』という辺りが、お話が進むにしたがって少しづつ明らかになっていくという展開は普通に面白いです。

 ただ演出やら設定やらは面白いのですが、純粋にオカルトホラーとして本作が面白いかと言われると微妙なところ。

 悪霊から狙われるのが基本的にヒロインだけなので、とにかく事件が起こらないためどうにも退屈なんですよね。
 終盤では割と一挙にお話が進むのですが、終盤までの展開がどうにも盛り上がりに欠けます。

 もうちょっと中盤辺りで悪霊による犠牲者が出るとか、盛り上がるような要素があっても良かったんじゃないかと…

 またラストが投げっぱなし的なオチなのは、オカルト映画では良くある事なのでそこまで気にしないつもりなのですが、本作は流石に投げっぱなし要素が多すぎです。

 ラストで、ヒロインの旦那とか病院の院長や看護師とかがどうなったのかサッパリ分からないままですし、悪霊(と殺人鬼)も動機やら何がやりたかったのかやら判然としないままだったので、観終わった後に物凄くモヤモヤしてしまいましたよ…

 あと個人的にですが、悪霊のデザインがどう見ても『ローブを被っていないネズミ男にしか見えなくて、全く迫力を感じる事が出来なくてイマイチお話に入り込めなかったのは自分だけですかね?


 総評としましては、雰囲気とか設定とか悪くない部分もあるものの『いま一歩な印象のオカルトホラー映画』って感じの作品です。

 観るべき要素もあるのですが、総じて盛り上がりに欠ける要素やらモヤっとする要素の方が強く感じられてしまい、どうにもストレスが残る映画でしたよ。

 オカルトホラーとかが好きならばまあまあ観ておいても良いレベルの作品だとは思いますが、観終わった後にモヤモヤした気分になる可能性が高いですので、その辺は覚悟してから観る事をオススメしますよ。