■■■「アーバン・レジェンド 死霊都市伝説」■■■
(20点/オカルト)
超常現象を調査するルポライターのケリーは、心霊現象は全てが『超低周音波』によってもたらされる幻覚や幻聴が原因だと言う自説を提唱し、それを証明するために各地で心霊現象の原因を調査・解明して、それをブログで発表していた。
そんなある日、彼女は読者からの投稿でトロントのロワー・ベイ駅に出現するという『赤い女』の都市伝説を調査する事となる。
それは1969年に電車に飛び込み自殺した女性が、血まみれの姿の『赤い女』の霊となって出現し、廃駅となった今もその場所をさ迷い続けているというものだった。
トロントにに赴いた彼女は、閉鎖された廃墟に侵入しその場所の調査を開始するが、そこで次々と奇妙な現象に遭遇していき…
幽霊の存在を科学的に否定しようとする女性記者が、幽霊の出現するという都市伝説のある廃墟に訪れて恐るべき現象に遭遇する…という、オカルトホラー映画。
『赤い女』の都市伝説というと大阪の泉の広場の都市伝説が有名ですが、本作は当然ながら大阪の都市伝説とは関係なく(カナダの映画なのだからあたりまえですが…)、『かつて電車への飛び込み自殺で死んだ女性が、血まみれの姿で現れる』という怪談をベースとしたお話のようです。
(ちなみに実際にそういう都市伝説があるのかどうかは、調べてみたけど良く分かりませんでした。)
また、幽霊の正体を低周波音による幻覚とする説も実際にある(電磁波説もあったと思う)のですが、都市伝説も幽霊ネタも作中でそこまで掘り下げている訳でも無いので設定の味付け程度という感じですね。
主人公が廃墟となった地下鉄の駅を調査していくシーンの雰囲気は非常に良くて、終始鳴り響いている低周波っぽいノイズの演出も良い味を出しており、不気味な雰囲気を良い感じに盛り上げてくれます。
やや映像が暗すぎて廃墟感が分かりづらいのは難点ですが、廃墟好きならばこの雰囲気だけでもそこそこ楽しめる感じかも?
ただ、それ以外の部分がどうにもグテグテすぎるのが困りもの。
お話がとにかく全体的にダラダラしすぎて、『何も起こらないままに地下鉄の駅の廃墟をウロウロしてるだけ』のシーンが長すぎです。
『霊を科学的に調査しようとした主人公が恐るべき心霊現象に見舞われる』という感じの設定の割には、そこまで派手に心霊現象も起こらないですし、とにかくテンポが悪くて観ていてダルいです。
久々に割と本気で、途中から早送りしようかと考えてしまいましたよ…
一応はサスペンス仕立ての内容になっており、途中で登場するサブキャラに秘密があったり主人公も実は秘密を持っていたりするのですが、この辺の設定がたいした伏線も無いまま急に語られるので、唐突感がありまくりでお話に入れ込めないのも困りもの。
というか、説明不足すぎてラストは何が言いたいのかイマイチ良く分からなかったのは自分だけですかね?
(主人公の探していた『少女』は、過去のトラウマが生み出した幻影だったって事? つかラストは都市伝説とか全く関係ない話になってるし…)
総評としましては、どうにも退屈で『微妙としか言いようが無いようなオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。
なんかストーリーも演出も中途半端で、どっち方面から見ても物足りなさばかりが残ってしまうような映画でしたよ。
廃墟の雰囲気なんかは悪くなかったので、そういうのを観るのが好きならば…という感じではありますが、それにしても限度があるぐらいダルい内容なので、よほどの事がなければ普通にスルーしてしまっても良い一本かもしれません。