■■■「インシディアス 最後の鍵」■■■
(60点/オカルト)
超常現象の専門家として活動する霊能力者のエリーズは、ある日、ニューメキシコの田舎町のとある屋敷で起こる心霊現象の調査の依頼を受ける。
その依頼は、奇しくもかつて彼女が幼少期を過ごした屋敷で、その屋敷に現在住んでいるという男性からのもので、引っ越してからたて続けに起こる奇妙な現象を調査して欲しいというものだった。
辛い幼少期のトラウマから逡巡しつつも調査を引き受ける事となった彼女は、タッカー、スペックスらと共にかつての彼女の自宅へと向かうが、屋敷の調査を続けるうちに屋敷の地下室に隠し部屋を発見。
彼女の実家に隠された恐るべき秘密を知る事となるのだった…
霊能力者のエリーズと『心霊捜索班』のメンバーが、彼女の実家で起こる心霊現象を調査するうちにそこに隠された驚くべき真実にたどり着く…という、オカルトホラー映画。
ジェームス・ワン製作のオカルトホラーである「インシディアス」シリーズの4作目で最新作に当たる作品で、3作目から続けて霊能力者のエリーズらの『心霊捜索班』の面々が活躍するお話です。
『心霊捜索班』の面々はキャラが良く立っており人気があるみたいで、私もこの面々は好きなのでまた彼らがメインキャラとして続編が作られたのは嬉しい限り。
今回は霊能力者のエリーズの過去に迫るみたいな内容ですが、あまりキャラのルーツに迫る過去エピソードという感じではなく、完全な新作というイメージの内容ですね。
ストーリー的に、いわゆる単なる『幽霊屋敷もの』のオカルトホラーなのかと思いきや、思いがけない予想外の展開とかもあったりして一筋縄でいかない構成になっている辺りは面白いですね。
ジェームス・ワン&リー・ワネルの「SAW」コンビらしいノリが、今までのシリーズ以上に濃く出ている印象です。
また新作の特徴は『恐怖演出のビジュアルに矢鱈と気合が入っている』という部分。
登場する悪霊のビジュアルやら演出やらが、いつも以上に物凄くおどろおどろしくて、とにかく見た目からして物凄く怖いです。
演出やビジュアルの怖さという意味では、シリーズで一番のインパクト強さといって良いレベルかも?
またシリーズ定番の『彼方の世界』のネタが、今回はいつも以上に深く掘り下げられており、そういう意味では「インシディアス」という作品の世界観が良く出ている印象です。
ただ、主人公の過去に絡んだエピソード以外にもお話が脇道に逸れる部分が多くて、割を食ってオカルトホラーとしての見せ場が少なくなってしまっている感があるのは残念なところ。
せっかく矢鱈と恐ろしい悪霊を登場させてるのに、見せ場となる部分があまりなくて物足りなさを感じてしまったので、もうちょっと見せ場や出番が欲しかったところかなぁ?
ラストもちょっとアッサリしすぎてて、面白かったんだけど若干食い足りなさを感じる内容でしたよ…
総評としましては、シリーズものとしては『なかなか良く出来たオカルトホラー映画』という感じの作品。
シリーズ(特に3作目)が好きであれば間違いなくチェックしておいて損は無い最新作という感じですが、逆にシリーズを観た事が無い場合は1作目からチェックして世界観とかを理解してから観る方が良いでしょう。
また今回の新作は、ちょっとサスペンス要素が強めでネタバレ注意な感じの内容なので、気になるのであれば早めにチェックしておく事をオススメしますよ。
『心霊捜索班』の面々は好きなのですが、お話的には4作目で一区切りという感じもあったので、次があるとしたらまた新展開になるのかなぁ?
世界観も含めて割と安定したシリーズになっているので、もし作られるようであれば次回作にも期待したいところですよ。