■■■「デイライツ・エンド」■■■
(60点/モンスター)
人間を怪物に変えてしまうという謎の疫病によって文明が崩壊した近未来。
怪物によって恋人を殺されたロークは、ただひたすら復讐のために怪物を狩りつづける日々を送っていた。
そんなある日、街で無法者の集団に襲われていたケイティという女性を助けた彼は、彼女の仲間である警察署に避難して立てこもっているグループと出会う。
彼らが飛行場で輸送機を発見し安全なエリアへの脱出を計画していると知ったロークは、脱出まで怪物の襲撃を食い止めるために、このエリアの怪物の寝床に侵入して怪物のボス『アルファ』を倒し。怪物たちが混乱している間に脱出するという計画に協力する事になるが…
人間を怪物化させる謎の疫病によって文明が崩壊した世界で、復讐に燃える一匹狼の男が脱出を計画する人々に協力して怪物たちと戦うという、アクション風味のモンスターホラー映画。
いわゆるゾンビものの派生映画で、『人間を太陽光線を浴びると死ぬ凶暴な怪物に変えるウィルス』という吸血鬼みたいな設定やら、文明が崩壊した世界やら「地球最後の男(アイ・アム・レジェンド)」を彷彿とさせるような作品ですね。
お話としては、『怪物への復讐のためだけに生きてどこのコミュニティにも属さない一匹狼の主人公が、怪物のボスを倒すという利害の一致から生き残った人たちと協力する』という感じのストーリー。
こういう設定だと、一匹狼の主人公が人々と触れ合ううちに徐々にコミュニティに打ち解けていくみたいな、ロードムービー的なノリかと思いきや最後まで殆ど打ち解けることも無く淡々とお話が展開していったのは逆にちょっと驚きました。(笑)
まあクールを貫き通す主人公も、なかなかカッコ良いですけどね。
ストーリーもそこまで深い内容という訳でもなくて、ノリとしては『怪物とひたすら戦闘を繰り返すアクション映画』的なテイストの強い作品といった感じ。
それだけにアクションシーンは非常に豊富で出来も良く、特に中盤以降はホントにずっとモンスターと戦っているような印象で、テンポが良くて飽きさせない作りなのは良い感じです。
ただ戦闘が銃撃戦がメインで『猛スピードで突っ込んでくる怪物を銃で撃ってるだけ』というシーンが非常に多くて、ちょっとだけ単調に感じる部分があったのは残念なところ。
戦闘シーンがこれだけメインになるなら、もっと刃物を得意武器とするキャラとかも出して戦闘シーンにバリエーションがあっても良かったと思う。
また登場人物のキャラクターも、主人公とヒロインとコミュニティのリーダー以外はそこまで個性が無くて、中盤以降は誰が戦ってるんだか良く分からないようなシーンが多いのに加えて、いまひとつ登場人物への感情移入ができなくて盛り上がりに欠ける部分を感じたので、もうちょっと脇役キャラにもシッカリとした個性が欲しかったです。
あと、序盤の無法者たちはその後の展開に全く絡んでこないなら別に特に出てくる必要なかったんじゃ…と感じたのは自分だけ?(普通に『怪物に襲撃されているところを助けた』って展開で良かったんじゃ?)
総評としましては、そこそこ良く出来た『アクション重視のモンスターホラー映画』って感じの作品です。
ストーリーとかに若干物足りない部分もありますが、なかなかアクションシーンに爽快感もあり普通に楽しめる一本だと思います。
とりあえずアクション重視のサバイバルホラーとかが好きな人には割とオススメできる作品だと思うので、そういうジャンルが気になるならばチェックしておいても良いかもしれませんよ。