■■■「スクワッド 荒野に棲む悪夢」■■■
(35点/オカルト)
2日前から連絡の途絶えた山岳地帯の軍事基地へと調査に向かった軍の特殊部隊の面々は、いたる所に血痕が残り無人と化した基地内で『魔除け』と『鎖』で厳重に封印された倉庫の奥の隠し部屋に拘束された一人の女性を発見する。
彼らは女性がゲリラの仲間で基地で何が起こったかを知っていると考え、女性への尋問を開始するが、しばらく後に女性を見張っていた軍曹が殺害されて女性が居なくなっているのが発見される。
更に敵の居ない筈の基地で仲間の変死が相次いで発生し、彼らは疑心暗鬼へと陥って行くのだった…
連絡の途絶えた山岳基地へと向かった特殊部隊の面々が未知の恐怖へと遭遇するという、ミリタリー風味のオカルトサスペンス映画。
コロンビア・アルゼンチン・スペインの3ヶ国で作成された作品のようですが、大まかな括りで言うといわゆる欧州系のホラー映画っぽい印象を受ける作品ですね。
(スペイン語の文化が入ってるせいかな?)
ジャンルとしては一応オカルトと区分してますが、ノリ的にはどちらかといえばサイコスリラー的なノリの方が強めの印象かな?
『無人の軍事基地に調査に訪れた特殊部隊の面々が原因不明の事態に遭遇して、徐々に精神をすり減らしていく』というような感じのお話です。
アイデアは面白そうですし、無人の基地の不気味な雰囲気は非常に良く出ているので『雰囲気映画』としては悪くないのですが、肝心の本編の方が盛り上がらなさ過ぎと言うか内容が無さ過ぎ…
不気味な雰囲気を見せるのは良いのですが、とにかく序盤~中盤が驚くほど事件が起こらなくて話が盛り上がるまでが長すぎます。
事件が起こった後も『えっ、だから何なの?』って感じの展開が多くて、何と言うか怖さがあまり感じられないシーンが多いんですよね。
シーン毎にはそこそこ盛り上がってもストーリーそのものが盛り上がって来ないので、お話を通しての緊張感がなくて終盤までの展開がとにかくダレ気味です。
まあ終盤はそこそこ盛り上がるのですが、オチも結局『異様な現象』の正体は何だったのかが良く分からないうえに物凄い投げっぱなしな終わり方なので、なんか最後まで狐につままれたような気分になる映画でしたよ…
あと余談ながら、『日本人は外人の顔を見分けるのが苦手』というのはよくネタにされる話で、ミリタリー系の映画だと全員が同じような服装&同じような髪型で混乱させられる事が多いのですが、この映画は本気で主要登場人物の2~3人が誰が誰だか分からなくなってちょっと困惑してしまいました。(『なんなんだ、試されているのか俺は?』って感じでした。)
まあ、コレは別に映画の完成度の問題じゃないんですけどね…
総評としましては、良くも悪くも『何じゃコリャ?』って感じの感想を抱いてしまうようなタイプのオカルトサスペンス映画ですねぇ…
雰囲気や映像センスとかは悪くないのですが、話の山場とかが微妙でオチもスッキリしない為に観終わった後にモヤっとしたものが残ってしまう作品って感じです。
『ミリタリー系のホラー』とか『雰囲気映画系の作品』が好きならば、まあそれなりに観れる映画だと思いますが、それ以上の推しの要素は無いのであまり一般的にはオススメできないかなぁ?
まあ、『その手のジャンルが大好きならばお好みで…』といった感じの一本でしょう。