（６０点／モンスター）
ホワイト・サンズというリゾートアイランドの町のビーチで、浅瀬を泳ぐ『巨大なサメのような生き物』に若者が襲われるという事件が発生する。
おりしも町では大規模な「サンドマン・フェス」という音楽祭が開催されようとしていた事から、市長は『サメ退治』に懸賞金を懸けて早期の事態の収拾を図るが、犠牲者が明らかに海の中ではなく『砂浜』で襲われている事を知った生物学者のサンディは、このサメが普通の人食いザメではないと判断。
漁師のアンガスから『サンドシャーク』という砂の中を泳ぐサメの存在を知らされた保安官のジョンとブレンダは、安全の為に音楽祭を中止させようとするが…
リゾーチビーチで砂の中を泳ぐ『水陸両用の人食いザメ』が人間を襲うという、モンスターパニック映画。
地面の中を自在に移動するモンスターというと何となく「トレマーズ」っぽい印象を受けますが、本作はあそこまでトンガったイメージは無くて、むしろ『普通の人食いザメもののモンスター映画の舞台を陸上まで拡張した』って感じのお話ですね。
設定だけ聞くといかにも『一発ネタ』っぽいイメージですが、映画の中身の方は意外とシッカリと作られたＢ級モンスター映画といった印象。
恐らくＴＶ映画っぽく低予算ではあるのですが、低予算映画の割にはそれなりにお金がかかっている感じで、キチンとリゾート地で撮影されてたりと映像としてはまずまず観られるレベル。
サメは低予算ＣＧなのでそこまで迫力は無いのですが、基本が『砂の中から背ビレが見えてるだけ』の状態なのであまり違和感も無いですし、終盤になるとウジャウジャと大量にサメが出現する派手な展開になってみたりと『イキオイでごまかそうとしてる』ような印象はあるものの、なかなか上手い見せ方かと…
ただ『島おこしの為の大規模な音楽祭』という設定なのに、どう見ても観客が２０～３０人しか居なかったりする辺りは、まあ低予算故のご愛嬌といったところでしょうか。
主要登場人物のキャラクター付けもなかなか上手くて、『憎まれ役』のキャラもどこか好感が持てるようなキャラになっていたり割とどうでも良い脇役にもシッカリと個性が与えられてて、キャラが立ってるお陰でお話の流れが非常に分かりやすくなっているのは好感触。
終盤での事件の解決方法も『そんな無茶な』と言いたくなるような作戦ながらも、独創的で面白いのもなかなか良かったですし、ラストの展開もなかなか熱くて良い感じでした。
といっても『良い感じ』なだけで、描こうとしてる方向性は良く分かるものの、実際の映像の方は低予算でショッパいんですけどね。（笑）
総評としましては、低予算だしツッコミどころは多いながらも意外と楽しめる『Ｂ級（というかＣ級ぐらい）の良作モンスターパニック映画』といった感じの作品ですね。
強くオススメするほどでは無いですが、低予算のモンスター映画が好きな人ならば普通に見れるレベルの作品だと思いますので、その手のジャンルに興味があって気になっているのであればチェックしておいても損は無いでしょう。
いわゆる『木曜洋画劇場』向けの作品って感じですので、そこまで興味が無ければ『地上波とか衛星放送とかで放映されたタイミングにでもどうぞ』って感じでしょうか…
