NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「べネシアフレニア」(45点/サスペンス)

■■■「べネシアフレニア」■■■
(45点/サスペンス)


 結婚を間近に控えたイサは独身最後に羽目を外すために、友人たちと5人でカーニバルで賑わうイタリアのヴェネツィアに訪れる。


 「観光客は帰れ」というプラカードを掲げた地元のデモ隊の出迎えに面食らいつつも観光を開始した彼女たちは、水上タクシーで同席した不気味な道化師コスチュームの男に絡まれるも、なんとか男をまいて観光を再開。


 地元民が集まる『秘密の仮装パーティ』の存在を知った彼らは、そのパーティにこっそり侵入して密造酒を飲んで泥酔してしまうが、翌朝に目を覚ますと仲間の一人が行方不明になっている事が判明し…

 


 ベネチアに観光に訪れた若者たちが、観光客を排除しようとする謎の犯罪者集団によって襲撃される…という、サスペンススリラー映画。


 クレジットとかを見ると、どうやら向こうのAmazonプライムだかで配信された作品のようですが、なんというか『配信作品らしいどうにも中途半端な映画』という印象の作品です。


 イタリアンホラーらしく、ダリオ・アルジェント監督を意識したっぽいオープニングとかはなかなかカッコ良いですし、欧州らしい雰囲気を重視した絵作りなんかも悪くは無いのですが、肝心の中身の方はダリオ・アルジェントっぽいフェティッシュさとかスタイリッシュさは感じられない内容なんですよね。


 序盤は普通のスラッシャーホラーっぽいノリで、どことなくイーライ・ロス監督の「ホステル」を意識したみたいな感じでお話が展開していくのですが、中盤からやや方向性が変わって『最初から存在しなかったかのように忽然と消滅した仲間の謎を追う』みたいなサイコサスペンス的な展開に…


 ただ、この設定自体はサスペンスの掴みとしては面白いと思うのですが、掴みの部分以外で特にこの設定がそこまで活かされる事は無くて、実際の本編の中身の方は良く分からない『観光客排斥派テロ集団』みたいなのが登場して、普通の誘拐ものっぽくお話が進んでいくという、いま一つ何がやりたいのか分からない作りです。


 お話が動き始めるまでの『若者たちが酒を飲んでバカ騒ぎしてるだけ』のシーンも無駄に長くて、『そんな部分でイーライ・ロスの影響を受けんでもいいわ…』というツッコミを入れたくなりましたよ。


 全体的に盛り上がるシーンも少ないうえに、事件の真相とか犯人グループの目的とかも割としょうもない感じで、とにかくダラダラとしたシーンが多いのは気になるところ。


 でもまあ殺人鬼はそこそこ魅力的に描かれてますし、『操り人形』のシーンとか割とインパクトがある見せ場もあるのは悪くない部分かな?


 ラストも妙に中途半端で、なんというか全体的に消化不良気味な内容の映画でしたよ…

 


 総評としましては、どうにも『ダラダラとした作りで物足りなさを感じるサスペンススリラー映画』って感じですね。


 配信された本国ではAmazonプライムでの無料(というかサブスク)配信だったんじゃないかと思うので、『無料で見られるならまあ悪くないか?』ってレベルだと思いますが、正直なところ『わざわざお金を払ってみる程か』と言われると微妙なところ…


 まあ雰囲気とかは悪くないので、イタリアンホラーとかのテイストが好きであれば『まあ、お好みで…』という感じでしょうか?