■■■「ファイブヘッド・ジョーズ」■■■
(55点/モンスター)
リゾート地であるプエルトルコのパロミノス島で、観光客が人喰いザメに襲われて死亡したと思われる事件が発生。
地元警察のスターリング警部は事件の捜査を開始するが、犠牲者の持ち物から『4つの頭のある巨大ザメ』の写真を発見する。
彼は水族館に勤める海洋生物学者のヨー博士に協力を依頼して、謎の巨大ザメの調査を行おうとするが、水族館のオーナーであるサディアスは水族館の目玉とするために彼女に巨大ザメの生け捕りを命令。
しかし、逆に彼女たちのチームからサメによる犠牲者を出すこととなってしまい…
プエルトルコのリゾート地に『4つの頭を持つ巨大ザメ』が出現し、地元警察と海洋生物学者やハンターたちが力を合わせて巨大ザメと対決する…というモンスターパニック映画。
一応は「ダブルヘッド・ジョーズ」、「トリプルヘッド・ジョーズ」に続くシリーズの最新作に当たる作品なのですが、1~2作目の時と同様に特にお話的に前作と繋がっているような要素は無くて、単にサメの頭が増量されただけで独立したお話ですね。
というか「ファイブヘッド・ジョーズ」ってタイトルの割には、作中でも4つしかサメの頭が無くて『これじゃフォーヘッド・ジョーズやん?』と思いつつ観ていたら、途中で尾びれの部分が変形して5つ目の頭が生えてきたのにはちょっと笑いました。
ちなみに『5つ目の頭』は、生えてきた理由とかが作中では一切語られないうえに、特に物語に活かされる事もなく…というか、本編中で登場人物たちにすら存在が認識されていないような状態で、まさに『頭数をそろえるため』に生えてきた感があるのがなんとも…(笑)
(まあ前の4匹の頭が取り逃したおこぼれを、尻尾の頭が『パクッ』と食べる姿はちょっと可愛いんですけどね。)
というか実際のところ前作のラストで既に頭が5つまで増えてたので、デザイン的な差異を付けるために『尻尾頭』という奇天烈なデザインになったのかなぁ?
まあサメのデザインの話はさておき、お話としては『プエルトルコのリゾート地で4つの頭を持つ巨大ザメが目撃されるんだけど、水族館のオーナーがサメを捕獲しようとするも失敗し犠牲者が続出、警察と生物学者とハンターらが協力してサメを退治する事となる』みたいな感じの展開なのですが…
まあなんというか、本編に関しては『ごく普通の巨大ザメもののパニック映画』って感じの作品です。
ホントに『頭が4つある』という意外の要素に関しては特にコレといった特徴もなく、単に『図体がデカいサメが暴れるパニック映画』みたいな感じの内容。
ただ、ただでさえデカいホオジロザメに頭が4つも付いているものだから、とにかく本体に重量があって体当たりで簡単に船を転覆させたりヘリを撃墜したりするのは、まあまあ迫力があります。
オーソドックスな巨大人食いザメものの映画としても、そこまで悪い出来という訳でも無く、主人公たちとサメの対決なんかも割とシッカリと描かれていますし、怪物退治の方法なんかもそこそこ説得力のある感じの作りになっているのは悪くないですね。
しかし、ホントに『普通の巨大ザメ映画』という感じにしか描かれていない部分が多くて、特に『4つの頭』が活かされているシーンがほぼ皆無なのは困りもの。
前作まであった『わざとらしく2人(3人)の犠牲者が並んでいるところをサメがまとめてパクりと食べる』みたいなシーンも殆ど無くなってしまい、頭が複数あるという特徴が全く活かされていないのは非常に残念なところです。
(なんだかんだ言って、あの『わざとらしいノリ』は結構好きだったんですが…)
つか前作でも同じような感想を書いた気がするので、流石に『サメの頭の数を増やすだけで続編を作り続ける』というコンセプト自体にそもそも無理があるんじゃ…
また、サメの襲撃シーンやパニックシーンが全体的に控えめだったのも、ちょっと物足りないところかなぁ?
せっかくデカくて迫力のある図体をしてるんだから、もっと大暴れするシーンをたくさん見せて欲しかったです。
あと割とどうでもいい事ですが、本作は何か妙に女の子の胸の谷間とかお尻とかを映すフェティッシュな映像が多めだったので、目の保養には良い感じではありましたよ。(笑)
総評としましては、良くも悪くも『ごく普通の巨大ザメもののB級モンスターパニック映画』って感じの作品です。
作品の品質としても『低予算ながらもごく普通に観れるレベル』なので悪くはないのですが、『5つの頭のサメ』という尖った設定の割には、内容が普通すぎて物足りなさを感じたのは残念なところかなぁ?
まあモンスター映画としては普通に楽しめる内容ではありますので、シリーズを追いかけている人とか気になっている人であれば、観ておいても損は無い一本だと思いますよ。