■■■「ジョーズ・リベンジ」■■■
(50点/生物パニック)
妻をサメに食われるという事故で失ったダイバーのワン・レイは、リゾートホテルでボーイとして働きながらもトラウマが原因で酒浸りの日々を過ごしていた。
そんなある日、リゾートホテルを巨大な津波が直撃。
津波から生き延びたワン・レイらの8人の男女は、なんとかして水没したホテルから安全な陸地へと脱出しようとするが、血の匂いに惹きつけられた巨大な人食いザメがホテル内部へと侵入してきてしまい…
津波で水没したリゾートホテルに人食いザメが出現し、生き延びた人々がなんとかして危機から脱出しようと試みる…という、タイ製のパニックホラー映画。
冒頭の粗筋からしてホラーとかパニック映画が好きな人ならばなんとなくデジャブを感じるような設定かもしれませんが、2012年に作られた佳作パニックホラーである「パニック・マーケット」(津波で水没したスーパーマーケットにサメが出現する)という映画にプロットやらが矢鱈と良く似ている作品ですね。
細かいストーリーとかキャラクターとかは全く違うのですが、演出とか設定とかにも妙に似ている要素が沢山あったりするので、もしかしたら「パニックマーケット」をリスペクトして作られた作品なのかも?
ただ「パニックマーケット」は、サメ以外にも強盗やら蟹の大群やらが出現してみたりと割とお馬鹿な要素やハッチャけた部分の多い内容だったのですが、本作は割とオーソドックスなパニック映画に仕上がっているような印象。
『津波発生』~『ホテルからの脱出』という以外に特に余計な要素は殆ど無くて、ダラダラした部分がなくて非常にテンポ良くお話が進んでいくのは悪くありません。
ピンチのシーンや演出も非常に分かりやすいですし、登場人物は少ないながらもキャラが良く立っているので、観ていて冗長に感じる要素とかが無い点は良く出来ていると言えるでしょう。
ただテンポが良いという以前に、そもそも尺が全体で60分程度しか無いので、全体的にアッサリ風味でややボリューム不足。
見せ場なんかはそれなりに考えて作られているのですが、地味なうえにオーソドックスな要素が多くてあまり捻りや個性的な部分が感じられないのも、ちょっと物足りないんですよね。(特に最初の津波のシーンとかは、もうちょっと迫力が欲しかったところ…)
また『主人公の奥さんがサメに食われるエピソード(水中結婚式の最中に食われる)』だけは矢鱈と個性的な割に、そのエピソードを元にした主人公のトラウマが本編にあまり活かされていないのも気になったところかなぁ…
あと、タイトルに「ジョーズ・リベンジ」と付いていますが、ジョーズ側にも人間側にもリベンジ(復讐)するような要素が全くないので、何をもってこのタイトルを付けたのかちょっと謎でしたよ。
総評としましては、オーソドックスで平均点という感じの内容ながらも『ちょっと盛り上がりに欠ける低予算パニックホラー映画』という感じの作品ですね。
悪くは無いのですが特に推す程の要素もあまり無い感じで、ぶっちゃけて言ってしまうと『地味になった「パニック・マーケット」みたいな映画』というのが正直なところ。
気になっているのであれば観るのを止めるような事は無いですが、慌ててチェックするような作品でも無いので、レンタルで安くなるかどこかでサブスクリプション入りしたタイミングぐらいに観ておけば問題ない程度の一本ではないかと…