■■■「デストイレ Ⅱ 復讐の悪魔便器」■■■
(20点/オカルト)
マーカス神父の協力で、『悪魔のトイレ』との戦いになんとか勝利したベトナム帰還兵のブレットは、それから数年後、レーサーとして成功し世界を転戦して駆け巡っていた。
『悪魔のトイレ』との死闘のあと、ブレットはトイレの製造会社を訴え、その会社が倒産する事で『悪魔のトイレ』はこの世から消え去り、彼らの周りに平和が戻ったと思われていた。
そんなある日、マーカス神父から連絡を受けた彼は、『悪魔のトイレ』が再び現れたから力を貸して欲しいという相談を受ける。
『悪魔のトイレ』との戦いのトラウマが未だに消えない彼は、最初は神父からの依頼を断るが、彼の元へ再び『悪魔のトイレ』が襲撃に現れた事から、神父と協力して再び『悪魔のトイレ』との戦いを決意するのだった…
ベトナム帰還兵の男性と『悪魔のトイレ』との戦いを描いた、トイレ・エクソシズムを題材としたオカルトホラー映画の第2弾。
『世界で唯一のトイレ・エクソシズム映画』の新作となる本作ですが、そもそも『トイレ・エクソシズム映画』って何やねん…というのに加えて『世界で唯一なのは他に作る人が居ないだけだろ!!』とか、キャッチフレーズの時点で色々とツッコミどころ満載の作品です。
そもそも前作からして『クソ・オブ・クソ映画(トイレだけに)』みたいな内容だったのに、何でコレの続編を作ろうと思ってしまったのか…そして日本のメーカーも何でコレを配給しようと思ってしまったのか…と疑問が尽きませんよ。
(まあ、日本のメーカーはコンマビジョンだから仕方ないね。)
とまあ続編が作られた事へのツッコミはさておき肝心の映画の内容に関しては、ぶっちゃけて言うとつまらないなりにも『前作に比べると少しは観れる内容になったかも?』というのが正直な印象。
お話としては、『トイレとの戦いによって重傷を負いつつもなんとか「悪魔のトイレ」に勝利して平穏な暮らしを手に入れていた主人公が、数年後に再び「悪魔のトイレ」が出現した事を神父から知らされ再び戦いを挑む事となる…』というようなストーリー。
…って、確か前回のラストで主人公は『悪魔のトイレ』に首を斬られて死んでたような気がしていたのですが、どうやら『なんとか生き延びて戦いに勝利していた』事になっているようです。
でも前作のラストのエピローグのシーンで、主人公の家が売られて『悪魔のトイレ』が新たな住人を脅かす事を暗示するようなシーンがあった気がするので、『あのシーンは何だったんだよ?』という疑問が湧いてしまうのすが…まあ、そんな細かい事を気にしてはならない作品だという事なのでしょう。
映画としては、前作と同様に『超低予算のZ級オカルト映画』という感じの内容なのですが、前作に比べると最初から『悪魔のトイレ』の存在がつまびらかになっている事もあり、全体的にテンポの良い作品に仕上がっているのは良い点だと言えるでしょう。
ちなみに今回の舞台は『前作とは別の悪魔のトイレ』との戦いとなっているのですが、撮影現場のトイレが『どうみても前作と同じトイレ』という、割り切った省コストっぷり。
更には、主人公が『旅先で泊まったホテルのトイレ』までもが、『どうみても前作と同じトイレ』で撮影されているため、設定と映像のギャップに観ていて脳がバグりそうになります。
というか低予算で手を抜くしして程があるだろ、撮影できる場所はそこしか無いのかよ!!(笑)
ただ低予算は低予算なのですが、前作に比べてちょっとだけ小道具的なものが増えていたりと、『ほんのりと予算が増えてそう』なのはちょっと微笑ましいところですね。
前作と同様にストーリーらしいストーリーは殆ど無くて、基本的に本編は『悪魔のトイレ』と主人公たちが戦っているだけの内容なのですが、前作に比べると超展開とかバカ度がちょっとアップしているのは良いところ。
『悪魔のトイレ』と戦う神父の武器として、『祝福されしトイレットペーパー』やら『キリスト・ワイパー(キリストのクリーニングシート)』やら新たな小道具が登場しているのはなかなかに良い感じ。
また対する悪魔のトイレの攻撃も、前作の『あからさまな合成でトイレが火を噴いたり爆発したりする』だけじゃなくて、『トイレットペーパーが絡まってきて首を絞める』とか、ちょっとした小技が増えているのもバカバカしくて笑わせてくれます。
作品の見どころは、あいかわらずの『悪魔のトイレ』を相手にガチの悪魔祓いを演じる『神父役の俳優さんの熱演』なのですが…
今回は普通の悪魔祓いのように『聖書を読む』のに加えて『キリスト・ワイパー』でトイレを拭いたり、『キレイになれ、キレイになれ!!』と叫びながら聖水をふりかけたりするシーンもあったりして、あまりのシュールな絵面に思わず爆笑してしまいましたよ。(どう見ても『熱心にトイレ掃除をしてる神父さん』にしか見えない。(笑))
あと、あいかわらずネタのつもりなのか何なのか『放屁の音を延々と聞かされる』シーンも健在で、しかも今回は何故か『放屁の時間を計測するタイマー』が画面に表示されるという謎の新機能付き。
いや、あのシーンって好評だったのかよ、あと誰のための新機能なんだよ!?
とまあバカバカしいのは良いですし、話だけ聞くと面白そうに見えるかもしれませんが、色々ととにかく酷い出来ですし『悪魔の便器』とのバトルに関しても前作以上にグテグテな感じですし、前作と同様に『もうちょっと色々とどうにかならんかったのか?』という感想を抱いてしまうような作品でしたよ。
総評としましては、あいかわらず『最底辺レベルの超低予算オカルトホラー映画』という感じの作品ですね。
あまりにも酷すぎる出来なので、とてもじゃないですが人にオススメするような内容ではないですが、『ネタ映画を求めているのであれば前作よりは見どころのある作品』に進歩した印象。
尺も相変わらず60分程度と短い尺の作品ですので、そういう『ツッコミ系のネタ映画』を探しているのであれば、2本続けて視聴してみるのも良いかもしれませんよ。
(あまりの酷さにブチ切れられても困るので、アクマで自己責任で…)