NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デストイレⅢ 呪いの悪魔便器」(15点/オカルト)

■■■「デストイレⅢ 呪いの悪魔便器」■■■
(15点/オカルト)


 悪魔トイレとの壮絶な死闘によって相棒であるマーカス神父を喪ったブレットは、悪魔トイレへの復讐のために悪魔トイレを探し出すための『トイレーダー』を開発。


 悪魔トイレハンターとして、アメリカだけでなくロシアや中国、北朝鮮といった世界各地の悪魔トイレを退治して周っていた。


 戦いに一区切りをつけた彼は、事件の元凶となった自宅を売りに出し、トイレは自宅とともに解体される事となるが、悪魔トイレのオリジナルで自宅のトイレであった「デストイレ・ジ・オリジン」は、オークションによって転売されて教会に設置され、更なるパワーを持って復活しようとしている事を知る。


 レーダーの測定により一人では悪魔トイレに勝てないと悟った彼は、禁断の秘術によってかつての相棒であるマーカス神父を復活させる事を決意するが…

 


 ベトナム帰還兵と神父のコンビによる『悪魔のトイレ』との戦いを描いた、トイレ・エクソシズムを題材としたオカルトホラー映画の第3弾。


 正直なところ『こんなクソ映画(二重の意味で)をなんで第3段まで作ったんだよ?』とか思う訳ですが、自分のようなアホが新作が出る度にいちいちチェックするからですね、本当に申し訳ありません。


 お話としては、無理矢理感のあった2とは違って割とちゃんと前作からの続きとなっており、『悪魔トイレとの戦いでマーカス神父を喪った主人公が、最強の悪魔トイレの復活を目の前にして禁断の秘術でマーカス神父を復活させて決戦へと挑む』という感じの展開。


 1~2作目がそこそこヒットして予算が手に入った事に気を良くしたのか、本作では前作までに比べてCGやらのエフェクトが大幅にパワーアップ!!


 特に冒頭の地割れのシーンとかは、普通のB級映画レベルのCGが使われていて驚かされてしまいます。(何か別の素材の使いまわしかもしれませんが…)


 あと悪魔トイレくんも、『便器の中で刃物が動く』だけなのに何故か犠牲者の五体をバラバラに切り刻むという大技を獲得していたりと、無意味にゴア表現もパワーアップ!!(思いっきり人形まるだしなので、ゴア描写と言えるか微妙だけど…)


 また今までのシリーズでは、全世界のどこの悪魔トイレと戦うシーンであろうとも、頑なに『同じ家の同じトイレ』が撮影場所として使われていたのですが、今回は悪魔トイレの撮影場所として『別の場所のトイレ』と合わせて2個所のトイレが利用されているという大進歩!!


 遂に『別の家の(というか施設の?)トイレ』も撮影場所に使わせて貰えるレベルにパワーアップしたんですね!!という謎の感動を覚えてしまいました。


 でも、悪魔トイレを探すための新兵器『トイレーダー』に関しては、どうみても単なる『電気抵抗テスター』で、もうちょっとソレっぽい小道具を用意しろよって感じではありましたが…


 ただ、特撮や撮影環境に関してパワーアップしているのは良いのですが、ストーリーに関してはシリーズの中でも一番のグテグテっぷりな感じなのは困りもの。


 ほぼほぼ、主人公が神父を復活させるために奔走しているか悪魔トイレと戦っているかのみで、ストーリーらしいストーリーは殆どなし。


 残りのシーンは、『主人公のベトナム戦争自体の記憶』みたいなのが唐突に差し込まれる形で描かれているのですが、何故か主人公がベトナムで悪魔トイレと戦っていたりと現在との繋がりが意味不明。


 『過去の記憶のフラッシュバック』に『悪魔トイレの脅威』を幻影として重ねている感じなのかもしれませんが、最後までどういう表現なのかいま一つ良く分かりませんでしたよ…


 悪魔トイレとの戦いに関しても、CGを沢山使えることに気を良くしたのか、常に画面に派手に爆発やら電撃やらレーザーやらのエフェクトがひたすら被りまくりで、画面がうるさすぎて『主人公たちが何をやってるのか判然としなくなってしまっている』のは困りもの。


 いやもう、もうちょっとバランスを考えて画面作りをしろよ!!としか…(笑)


 色々と酷い出来でツッコミどころ満載の本作ですが、ラストの悪魔トイレを倒して一区切りついた主人公と神父の2人が海にバカンスに出かけて、『オッサン二人が海岸で大はしゃぎするシーン』妙にほのぼのしててちょっとホッコリしてしまいましたよ。
 (というか、もしかしてシリーズ初の純粋なハッピーエンドなのでは?)

 


 総評としましては、シリーズを通じてパワーアップはしているものの、あいもかわらず『最底辺レベルの超低予算オカルトホラー映画』という感じの作品ですね。


 今回も60分弱と短い尺ですので、とんでもないクソ映画だけど『ダレてくる前にサクッと観終われる』のは良い感じです。


 なんとなく3作目で完結編っぽい雰囲気も漂っていますし、ネタ映画としてなら楽しめる内容だと思うの、1~3まで3本通してチェックしてみるのもアリかもしれませんよ。(いくら1本が短くても3時間は流石に苦痛かもしれませんが…)