NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「カタコンブ」(45点/スラッシャー)

■■■「カタコンブ」■■■
(45点/スラッシャー)


 1991年のパリで暮らす少女ソニアは、兵役に駆り出される事となった友人に『いままでやった事のない体験』をプレゼントすべく、数百年前からパリの地下に広がる観光名所でもある『カタコンブ』の『立ち入り禁止区域』へのツアーを計画する。


 パリの裏事情に詳しいガイドのラミの案内のもと、友人のアンリとマックスと共に秘密の通路を抜けて地下の禁止区域の奥深くへと足を踏み入れた彼らは、その神秘的な光景に興奮するが、仲間の一人が何者かによって仕掛けられたブービートラップによって負傷するという事件が発生。


 悪意を持った何者かの存在に存在に恐怖を感じた彼らは地上へと戻ろうとするが、突然の通路の崩落によって元の通路へと戻れなくなってった事から、未知の領域へと進まざるを得なくなってしまい…

 


 数百年前からパリ市街地の地下へと広がる広大な『カタコンブ』の立入禁止エリアへと入り込んだ若者たちが、正体不明の怪物の襲撃を受ける…というスラッシャーホラー映画。


 パリの地下に実際に広がる超巨大地下墓地である「カタコンブ」を題材としたオカルトホラー映画は割と色々と作られていますが、本作は地下墓地が舞台といってもオカルト系のお話ではなく、どちからというと「0:34 レイジ34フン」とかに近い感じの閉鎖環境型のモンスターとかスラッシャーホラー系の映画ですね。


 お話としてはそこまで捻った内容といった感じではなく、『広大な地下墓地の進入禁止区域に若者たちが無断で侵入したところ、そこにはとんでもない化物が潜んでいました』みたいな感じのストーリー。


 タイトルに「カタコンブ」と付いている割にはあまり『墓地』的な要素は無くて、むしろ採石場跡』とかの『地下墓地に連なる色々な地下施設』を題材としてる辺りは逆に目新しい部分とも言えるかも?


 ややネタバレになってしまいますが、地下墓地の未調査地域を散策していたら『ナチスの秘密の地下施設を発見してしまいました』という設定は、ちょっとだけ意外性があって面白いです。


 ただ設定としての意外性はあるものの、それが本作の作品としての面白さに繋がっているかと言われると微妙なところ…


 まず、そもそも「カタコンブ」っていうタイトルの割に地下墓地要素が殆ど無いので、意外性の部分が逆に肩透かし感になってしまっているんですよね。


 また、お話が核心(ナチス関連)に迫るまでがかなり長く、そこまでは地元のギャングとイザコザをやってたりと、どうでもいいシーンが多いうえにホラー要素も弱め。


 地下道の『狭い通路を抜けるシーン』とかは圧迫感や緊張感があって良いのですが、そもそも洞窟探検が題材というような話でもないので「カタコンブ」ってタイトルからするとなんか方向性が違う感じがするのが困りもの…


 肝心のホラー要素が盛り上がってきた後の展開も、襲撃シーンやら残虐シーンが薄めで全体的に物足りない印象。
 殺人鬼やら怪物やらの雰囲気は悪くないんですが、いかんせん出番が少なすぎるんですよね…


 ちょっとだけ人種問題的なブラックなネタとかもあったものの、作品の個性になるほどの要素でも無いですし、ラストも妙にアッサリしてたので全体的にもうちょっと見せ場となるシーンが欲しかったですよ。

 


 総評としましては、『どうにも物足りなさを感じる閉鎖環境型スラッシャーホラー映画』って感じですね。


 「カタコンブ」って題材とも微妙にあってないですし、意外性はあると言えばあるのですが、そこが面白いかと言われると微妙なところ…


 ツマんなくは無いのですが強く推すには厳しい感じの内容ですので、まあ題材とか方向性とかが気になった人は、お好みでチェックしてみても良いかもしれませんよ。