■■■「悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲」■■■
(65点/スラッシャー:結構オススメ)
1973年8月18日。
レザーフェイスと殺人一家から生き残った一人の少女の証言により、ソーヤー一家の残忍な凶行が発覚し怒り狂った町の住人によって一家は惨殺しれてしまう。
当時、赤ん坊だったヘザーは住人によって保護され、事情を知らずに育てられるが、成長した彼女は役所からの『祖母の死亡通知』により自分が実は養子だった事を知らされる。
自分の出生の秘密に疑問を持った彼女は、真実を知るために友人たちと一緒に生まれ故郷であるテキサスのニュートの町へと赴くが、その場所で自分の出生と肉親にまつわる恐るべき秘密を知ることとなり…
「悪魔のいけにえ」の殺人一家の生き残りがテキサスの町で再び凶行を繰り広げるという、スラッシャーホラー映画。
「悪魔のいけにえ」の最新作で、1作目の『1作目の後日談』みたいな内容のお話ですね。
と言っても、このシリーズって既に続編が3本ぐらい作られてたと思うので今更1作目の後日談も無いだろってなもんですが、製作にトビー・フーバーも関わっている事からシリーズの正式な続編に当たるようです。
1作目のお話のラストの直後に『殺人一家は怒り狂った住民によって殺害された』という設定で展開して行くのですが、いままでのシリーズの2~3のお話とは別の世界線の『パラレルワールド的な世界観のお話』なのか、或いはリメイク版の「テキサス・チェーンソー」の続編と考えるべきなのか?
ただシリーズ最新作という触れ込みではありますが、意外なほどに「悪魔のいけにえ」っぽさが殆ど無い作品になっていますね。
1作目のオマージュとして、犠牲者がハンマーで殴られたり、フックに引っ掛けられたりするようなシーンは結構あって楽しいって言えば楽しいのですが、なんか取ってつけたようなオマージュで今ひとつインパクトが無いというか…逆に先の展開が読めてショッキングさが無くなってしまっている印象。
スラッシャーホラーとしての怖がらせ方も微妙で、ゴア系の作品やショッカーものとしてみると正直ちょっと微妙な感じで、ぶっちゃけ続編としては「悪魔のいけにえ」の2や3の方が全然「悪魔のいけにえ」してて良い感じです。
ただシリーズっぽさが無いからといって映画そのものがツマんないかと言うとそうでも無くて、これが作品としては割と普通に面白かったりします。
お話としては、今までのシリーズと比べるとサスペンス的な要素が強めになっており、ヒロインを中心とした謎解き要素があったりしてちょっと意外な構成といった感じ。
序盤のミスリードを誘うような演出やら、中盤からのちょっと意外な展開もなかなか上手いですし、スラッシャーホラーにしてはストーリーが意外と面白いです。
また非常にテンポも良くサクサクとお話が進むのも良い感じですし、残虐シーンや見せ場もそこそこあって途中で退屈しない印象。
ラストの展開もなかなか熱いですし、終盤でのレザーフェースが無駄にカッコ良いのも今までの作品と違ったノリで良かったです。
オチのちょっとブラックな感じも悪く無いですし、今までのシリーズとあまりにノリが違いすぎる内容には賛否両論ありそうな気がしますが、個人的には『こういう完全に別な方向性もアリかなぁ?』って感じの作品でした。
総評としましては、『普通に面白いサスペンス風味のスラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。
今までのシリーズのような狂気的なノリを期待してると肩透かしを食らわされますが、エンターテイメントとしては良く出来ているので『過剰な期待をしなければ意外と楽しめる作品』といったところでしょう。
個人的には『こういう方向性もアリかな?』って感じでしたので、今までのシリーズが好きで気になっているのであれば、とりあえずチェックしておいて損は無いタイトルだと思いますよ。