NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クライモリ-禁猟区-」(25点/スラッシャー)

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■■■「クライモリ-禁猟区-」■■■
(25点/スラッシャー)

 オカルト好きの大学生のソフィーは、北ウェールズの森で相次いで起こる家畜の虐殺や失踪事件の犯人とされている『ボドミンムーアの獣』の正体を探る為に、友人達に協力を依頼し事件の頻発する『スレートピット牧場』でキャンプし、周辺の捜索を行う事となる。

 深夜の森で奇妙な生き物の気配を追跡するうちに廃墟と化した古びた教会を発見した彼女達は友人と共に教会へと侵入するが、教会の中で何者かの襲撃を受けた彼女は気を失っているうちに、不気味な男の手によって教会の一室へと監禁されてしまうのだった…


 ウェールズの森に伝わる野獣(狼男)の伝説を題材とした、イギリス製のスラッシャーホラー映画。

 タイトルに「クライモリ」とか付いておりパッケージもソレっぽいデザインになっていますが、内容的には別に「クライモリ」とは全く関係の無い、いわゆる『なんちゃって続編』ですね。

 ネタ的にはイギリスに古くから伝わる野獣(狼男)伝説をモチーフとしていますが、ノリ的にはモンスターホラーというよりもスラッシャーホラーに近い印象です。

 単純なスラッシャーものではなく、ちょっとだけサスペンス要素みたいのも混ぜた作りになっているのですが、正直言ってサスペンスとスラッシャーの『どっちの要素も中途半端でイマイチな内容』というのが正直な感想ですね。

 スラッシャーとしても盛り上がるシーンが余りにも少なくて、どうにも迫力に欠けて怖さも面白味も無い感じですし、サスペンス要素もたいした謎でも無いうえに、謎解きが矢鱈と唐突で説明的なせいで、どう考えても蛇足になってしまっている印象。

 サスペンスを主体とした『監禁ホラー』が撮りたいのなら、もうちょっと殺人鬼のキャラクターをしっかりと描きこむなり、ヒロインのトラウマに付いてネタにしたいなら、もうちょっとヒロインの心情の描写を掘り下げるなりすれば良かったと思うのですが…

 ネタとしてメインに持ってきている割にはどちらの要素も印象が薄くて、単純に中身の薄い話になってしまっている印象です。

 せめてスラッシャーホラーとして面白ければ良かったのでしょうが、残虐シーンとかも物凄く地味で見所が無いですし、中途半端にサスペンス要素を絡めたせいで逆にテンポが悪くなってしまっているのが困り者ですね。

 テンポの良いスラッシャーホラーが描きたかったのか、サディスティックな変態的ホラーが描きたかったのか、どちらかにターゲットを絞ればもう少し個性が出て面白くなったと思うんですが…


 総評としましては、本文で何度も触れたとおりに『全体的に中途半端でどうにも見所が無い作品』ってのが正直な感想です。

 そこまで猛烈な低予算映画って訳でも無さそうなので、作り方によってはもうちょっと面白くなったと思うのですが、とにかく盛り上がりに欠けて退屈な内容でした。

 とりあえず「クライモリ」シリーズが好きな人とかは、あんなハイテンションさは無くてむしろ途中で眠くなってしまうような作品なので、間違えて借りてしまわないように要注意ですよ。