NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シン・クロコダイル」(55点/生物パニック)

■■■「シン・クロコダイル」■■■
(55点/生物パニック)


 ハンターのチアン・ポンは、街の有力者であるチャーの依頼でアフリカで捕獲した巨大な人食いクロコダイルの『ギュスターヴ』を輸送する事となる。


 しかし地元であるチャイナタウンを移送中に巨大な地震が発生し、チャイナタウンを津波が直撃。
 街は一瞬にして水に飲まれて全ての建物が水没してしまう。


 街の住人たちと共になんとか災害を生き延びたチアン・ポンだったが、移送中だったギュスターヴが檻から脱走。
 ワニに追われた住人達は近くのスーパーマーケットの中に逃げ込むが、津波と洪水による水位の上昇と人食いワニによって更なる危機へとさらされてしまうのだった…

 


 津波で水没した中国の下町にアフリカで捕らえた人食いワニが逃亡し、避難した街の住人達が脅威にさらされる…という、中国製の生物パニック映画。


 最近にわかに流行している、中国製の生物パニック映画とかモンスター映画の新作ですね。


 津波で水没した街で避難した住民たちが人食いザメ(今回はワニ)に襲われるという「パニック・マーケット」をリスペクトした系の作品なのですが、つい先日に発売されたタイ製の映画も同じような設定だったので、最近の生物パニック映画の界隈ではこういうのがトレンドになってるんでしょうか?


 ただ設定は「パニック・マーケット」だけど、内容的には「クロール -凶暴領域-」の方の影響を受けている印象が強くてリスペクトしたっぽいシーンもあったりするので、そちらの影響の方が強い作品かも?
 (他にも、ラスト辺りの展開で「アリゲータ」をリスペクトしたっぽいシーンもあったりするので、割と色んな生物パニック映画のごちゃ混ぜ感?)


 そんな感じで内容としては、割と『あちこちからネタを引っ張ってきた二番煎じ感のある生物パニック映画』となっているのですが、映画としての完成度はそこまで低くなくて、割と良くまとまっている作品という印象。


 非常にテンポの良い作りなうえに要所要所にそれなりの見せ場があり、緩急のバランスが取れているのは良い感じ。


 山場となるシーンも場面毎に見せ方に工夫がされており、観ていて退屈させないようになっているのは良く出来ています。


 ただ他の生物パニック映画のリスペクト的なネタが多いので、全体的に『どこかで観たようなシーン』が妙に多いのはちょっと気になる部分かも?


 登場人物のキャラクターも良く立っており、主要キャラの各人に見せ場がキチンと用意されていて盛り上がる展開になっていたり、予想外のキャラが活躍するシーンがあったりするのも何気に良い感じ。


 矢鱈とパニックを起こして迷惑をかけまくるアホとかがあまり居ないのも、観ていてストレスが溜まらないのも良いですね。


 ただラストの展開が、もっと盛り上がるのかと思いきや意外と地味で、怪物の退治方法も矢鱈とアッサリしてるのは物足りない部分かなあ…


 あと、伝説の人食いワニである『ギュスターヴ』が妙に小さいワニ(全長3.5mぐらい?)として描かれてるのは、正直言ってちょと不満点でしたよ。
 (現実の『ギュスターヴ』って、推定6m強ぐらある超巨大な人食いワニのはずなので、もっとデカい迫力のある描き方をして欲しかった。)

 


 総評としましては、『そこそこ良く出来た生物パニックもののサバイバルアクション映画』という感じの作品ですね。


 普通に楽しめるレベルの見どころのある生物パニック映画なのですが、やや『どこかで観たようなシーン』が多くて、本作ならではの個性に乏しいのは残念なところ。


 気になるようであればチェックしておいても損は無いレベルの作品だと思いますので、この手のジャンルが好きであれば『お好みで』という感じの一本ではないでしょうか?