NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハングリー・アタック」(60点/サスペンス)

イメージ 1

■■■「ハングリー・アタック」■■■
(60点/サスペンス)

 1998年、イギリスの田舎町に住む小学生のティムは、友人たちとともにワニの卵を盗むために深夜の動物園へと忍び込むが、警報に驚いて逃げ出そうとした際に、パニックに陥ったせいで仲間の一人がワニに噛み殺されるという事故に遭遇する。

 それから15年後、事件のショックで町を離れていたティムだったが、亡くなった父の事業を継ぐために、妻のルーシーと共に故郷へと帰って来る事となるが、彼の帰郷にタイミングを合わせたかのように町の住人が沼地で行方不明になったり、ワニに襲われて命を落とすという事件が発生。

 彼はかつて自分が盗んできたワニの卵を、友人のスタンが育てて沼地に逃がしてしまったのではないかと疑いを抱き、責任を感じてワニをなんとかして自分の手で退治しようと考えるが…



 イギリスの田舎町の湿地帯にどこからか人食いワニが出現して人々を恐怖に陥れるという、生物パニック風味のサスペンスホラー映画。

 パッケージとかタイトルを見ると、いわゆる巨大ワニものの生物パニック映画って感じですが、実際の中身の方はサスペンス要素の強い内容で『生物パニックの要素もあるサスペンスホラー映画』って感じの作品ですね。

 イギリスののんびりとした田舎町が舞台となっている事もあり、全体的にやや地味で低予算な感じではありますが、これが思いのほかに良く出来た作品だったりします。

 お話としては、『子供の頃にワニの卵を盗みに動物園に入った男が、大人になって町に帰ってきたと同時にワニによる襲撃事件が起こるようになった事から、責任を感じてワニをなんとかして退治しようとするが…』というような感じのお話なのですが…

 単なる人食いワニの登場するだけの生物パニック映画なのかと思いきや、中盤辺りから割と予想外のストーリーになって全く先の読めない展開に突入していくのは面白いです。

 内容に関しても、いわゆる生物パニック映画にサスペンスの要素も入っているって程度のノリじゃなくて、登場人物の人間関係なんかがキチンと作られておりドラマとしてシッカリと作り込まれているのは好感触。

 特に、登場人物が割と多めなのに普通に見ているだけで各キャラクターの性格やら人間関係やらがすんなり頭に入ってきて、非常にストーリーに入り込みやすいのは良いところですね。
 (90分程度のサスペンス映画では、こういう部分がうまく作れていない作品の方が多いので…)

 主要登場人物のキャラクターなんかも良く立っていて感情移入しやすい作りなのも良い感じで、観ていて普通にドラマとして楽しめるレベルてす。

 ただ、サスペンス映画としては割と良く出来ているのですが、『生物パニック映画』として観ると物足りないところが多いのも事実。

 特にワニの存在感があんまり無くて、特に終盤ではすっかり影が薄くなってしまっているのは残念なところ。

 また、ワニはおそらくアニマトロニクス(一部CG)って感じだと思うのですが、造形がなんか野暮ったくて動きもモッサリしてるので、いま一つ襲撃シーンに迫力がありません。

 人間との絡みも襲撃シーンを直接映さない『イメージ映像』っぽいシーンばかりですし、そこまで出番も多くないですし、何よりもパッケージだと物凄くデカそうなのに本編だと3mぐらいのサイズなので、どうにも物足りなさが残ってモンスター映画としてみると残念な印象。

 サスペンス要素も、キャラクターを中心としたドラマとして観ると面白いのですが、終盤の謎解きにちょっと唐突な感じがあったのでもうちょっと伏線みたいなものがあっても良かったかも?

 あと、イギリスらしく微妙にブラックなネタなんかもあったりする辺りは、まあ好みが分かれる部分ではあるかも?


 総評としましては、低予算ながら『そこそこ良く出来た生物パニック風味のサスペンス映画』って感じの作品ですね。

 モンスター映画系で、シッカリしたストーリーがあるタイプの作品が好きであれば普通に楽しめる一本だと思いますが、逆にモンスター映画部分に期待をしてると肩透かしを食らわされちゃうかも?

 まあでも強く推すほどでも無いですが、その手のジャンルが好きで気になるようなならばチェックしてみても損は無い作品だと思いますよ。