NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ビーチ」(55点/生物パニック)

■■■「ザ・ビーチ」■■■
(55点/生物パニック)


 オフシーズンに週末を海沿いの別荘で過ごすために訪れたエミリーとランドルのカップルは、同じように別荘を利用するための訪れた父親の友人夫妻であるジェーンとミッチらの老夫婦と鉢合わせになってしまう。


 期せずして4人で別荘を利用する事となった彼らだったが、その夜に奇妙な光と異臭を放つ霧が発生。
 不気味に感じつつ一夜を明かす彼らだったが、翌朝に海岸に訪れると不気味な粘液状の生物の死体が大量に落ちているのを発見。


 更には、夜間に外出して大量の霧を吸い込んだジェーンが身体に異常を来たし、エミリーとランドルも徐々に体調の不調を感じるようになっていくのだった…

 


 田舎町のビーチにある別荘を訪れた二組の男女が、海から現れた正体不明の寄生生物によって脅威に晒される…という生物パニック系サスペンスホラー映画。


 ザ・ビーチといってもブラピが主演のサスペンス映画ではなく、いわゆる『謎の寄生生物』を題材にした生物パニック映画なのですが、深夜の霧に覆われた町が舞台だったり寄生された人間がゾンビのようになったりと、なんとなく「ミスト」とかゾンビ映画とかの影響も受けているっぽい雰囲気の映画ですね。


 お話としては割とありがちなプロットの作品で、『田舎町の別荘で水や霧を経由して正体不明の生物に寄生された人々が徐々に肉体に変異を来していく…』みたいな感じの展開。


 目新しさはあまり無いものの、粘液状だったりワーム状だったりしてする謎の寄生生物への嫌悪感はなかなか良く出ており、身体に入り込まれた人間たちが徐々に体調に不調を起こしていく様子はなかなか不気味で怖いです。


 登場人物は少ないながらも、主人公たちのキャラの掘り下げも良く出来ており、人間ドラマが割とシッカリと描かれているのは好印象。
 また人間ドラマ部分を、ホラー映画としてギリギリ冗長にならないレベルでコンパクトにまとめているのも良く出来ています。


 ただ、ホラーとしての雰囲気作りやらドラマ要素はなかなか良く出来ているのですが、とにかく内容が地味なのは困りもの。


 登場人物がほぼ4人しか居ないため、パニック描写とかホラー描写がどうにも地味になりがちで、寄生生物に関しても『寄生された人間がゾンビのようになる』っていうありきたりな展開だけで、人間が『異形の存在』に変化したりパッケージのような『巨大な触手モンスター』が登場するようなシーンは無くてビジュアル的に盛り上がりに欠けます。


 オチも、何だか『分かったような分からないような投げっぱなしオチ』でしたし、どうにも物足りない印象。


 雰囲気は悪くなかったので、もっと山場となるシーンやら見せ場となるようなシーンがシッカリ作り込まれていればなあ…

 


 総評としましては、雰囲気やら方向性は悪くないものの『見せ場に欠ける地味な内容の生物パニック映画』って感じの作品ですね。


 生理的な嫌悪感を感じるような描写やテイスト等の良く出来た部分もあるのですが、やや冗長で物足りない部分も多いので、オススメするにはちょっと弱い映画という印象。


 息抜きに片手間程度に観るのであれば悪くないとは思いますので、気になるようであれば『お好みで』という感じでしょうか…