■■■「ドント・ストップ」■■■
(55点/サスペンス)
ベルギーのブリュッセルの高校で、イスラム原理主義者による無差別テロが発生。
犯人は学生たちを銃撃した末に自爆し、多くの負傷者が出る事態となる。
救急隊員のイザベルとアダモは救急車で現場へと急行し、首に傷を負った重傷の青年を搬送する事となるが、治療中に青年が自爆ベストを着用しており、テロリストの一味である事が判明。
意識を取り戻した青年は、彼らに救急車を走らせ続けることを要求する。
同じ頃、テロ対策センターは犯人のグループを特定し、自爆した犯人の仲間たちを逮捕しようと非常線を展開するが…
自爆テロの青年を救急車に載せてしまった救急隊員とテロリストの戦いを描いた、サスペンススリラー映画。
いわゆるテロリストによる『ハイジャック』系のワンシチュエーションスリラーですね。
なんか以前にもどこかで同じような設定の作品を聞いたことがあるような気がするのですが、プロット自体はそこまで珍しいものでもないので、特にリメイク作品とかって訳でも無さそうかな?
お話としては『とある救急隊員が自爆テロの現場で一人の青年を救助したところ、実は青年がテロリストの仲間で救急車をハイジャックされてしまいました』みたいな感じのストーリー。
ワンシチュエーションスリラーらしく、殆どが救急車の内部でのシーンとなっており、救急隊員と青年のやり取りがお話の中心となっています。
青年の行動に特に裏がある(実は救急車を乗っ取って別の計画を実行する予定だった等)とかって訳でも無く、割と淡々とした感じでお話が進んでいく感じのストーリーです。
主人公たちの行動の裏でテロ対策チームが動いていてテロリストの黒幕を逮捕しようとしていたり、救急車が別の救急搬送の呼び出しを喰らってみたり、『テロリストの青年の家族』が登場して家族ドラマ的なものがあったりと、メインがワンシチュエーション系の作品の割には色々とシチュエーションを凝らして退屈しないように工夫しているのは悪くない印象。
ただ色々とやってはいるものの、原則的には『救急車の中での救急隊員とテロリスト青年の会話劇』がお話の中心となっており、やはりちょっと冗長さは感じます。
またシチュエーションが豊富な割には、最初のテロの爆破シーン以外は派手なシーンが無くて、やや盛り上がりに欠けるのも辛いところ。
ラストは割と盛り上がって良い感じになるのですが、オチがちょっとアッサリしすぎで物足りなさがあるのも難点かなぁ?
人間ドラマ部分もサスペンス部分もちょっと掘り下げ不足な感があって、全体的にもうひと捻り何かがあれば割と良い作品になった気がするので、ちょっと惜しい感じの作品でしたよ。
総評としましては、『悪くは無いけど見どころに欠けるサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。
ストーリーとかはそこそこ凝ってて割と良く出来ているのに、見せ場に乏しくて物足りなさが残る内容で、オススメするにはちょっと弱い印象。
予告とかを観て、気になるのであればチェックしてみても良い作品だとは思いますが、急がないのであればレンタルで安くなるかサブスクリプション系のサービスに来るのを待っても良い感じの一本だと思いますよ。