NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホーリー・トイレット」(55点/サスペンス)

■■■「ホーリー・トイレット」■■■
(55点/サスペンス)


 頭部を負傷して意識を失った状態から目を覚ました建築家のフランクは、自分が工事現場の横倒しになった簡易トイレの中に居る事に気づく。


 頭のケガのせいで意識を失う前後の記憶がハッキリしない彼は、混乱しながらも状況を確認すると、自分がトイレの中に閉じ込められているうえに周囲には爆弾が仕掛けられており、更には仮設トイレが倒れた際に腕に深々と刺さった鉄筋のせいで、その場所から一歩も身動きが取れない状況だと判明。


 建設現場のイベントアナウンスで、34分後の午後2時にこの場所が爆破されると知った彼は、なんとかして助けを呼ぼうとするが、記憶が戻るにしたがって、自分が建設計画を急進しようとする市長のホルストの陰謀に巻き込まれたことを思い出し…

 


 爆破予定の建設現場の仮設トイレに閉じ込められた男が、なんとかして爆破までに脱出を図ろうとする…という、シチュエーションスリラー映画。


 ホーリー・トイレット」といっても「デストイレ」のようなハチャメチャなお話ではなく、トイレに閉じ込められて絶体絶命の男が脱出を図るという、いわゆるワンシチュエーション系のサスペンススリラー映画です。


 そもそも何が『ホーリー』なんだろうと思いきや、どうやら原題は「HOLY SHIT!(クソヤバい!)」というタイトルらしく、『ヤバイ』というスラングとトイレの『シット(糞)』とをかけた原題のようなのですが、ホーリー・トイレット」だと何がなんだか意味が分からない言葉になってしまっているので、邦題も普通に「ホーリー・シット!」で良かったんじゃないかという気がしますよ…


 まあタイトルはともかく、お話としては『腕に突き刺さった鉄筋のせいで、簡易トイレに言葉通り「釘付け」にされた建築家が、現場の爆破のタイムリミットが迫るなか、なんとかしてトイレからの脱出を図る』という感じのお話。


 いかにもシチュエーションスリラー映画らしく、最初は状況が全く分からないなかでお話が進んでいくのですが、『主人公の記憶が少しづつ戻るに従って徐々に事件の真相が明らかになっていく』という構成は月並みながらも割と良く出来ていて、二転三転しつつ『先の読めない感じでお話が進んでいく』という展開で退屈せずに物語を楽しめるようになっています。


 主人公は腕に突き刺さった鉄筋のせいで、言葉通り『釘付けにされて一歩たりとも動けない状況』なのですが、手元にある道具を使ってなんとかして危機からの脱出を図ろうとするという展開は、シチュエーションスリラーとしてはまあまあ悪くない印象。


 ただ中盤辺りまではそこそこ面白いのですが、中盤以降の展開がちょっと冗長なのは困りもの。


 『事件の真相』が判明しだしてからの展開が妙に回りくどくて、悪役の行動も全体的にちょっと無理がありすぎなんですよ。


 主人公と奥さんのエピソードもキャラの掘り下げとしてはいま一つテンポが悪いですし、ラストも無駄に引っ張りすぎでどうにもダラダラ感が否めませんでした。


 オチは嫌いじゃないですが、これならもっとスッキリとテンポ良く終わらせて欲しかったかなぁ…

 


 総評としましては、『そこそこ観れるレベルのワンシチュエーション系のサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。


 手堅くまとまった内容ではあるものの、本作ならではの強く推すほどの要素も無いような感じで、敢えてオススメするほどの作品かと言われると微妙なところ。


 この手のワンシチュエーションスリラーが好きな人であれば、試しにチェックしてみても良いかもしれませんが、急がないのであればどこかの動画配信サービスのサブスク入りとかを待っても良い感じの一本かもしれませんよ。