■■■「オールドマン」■■■
(40点/サスペンス)
森の奥で道に迷ったハイカーの青年ジョーは、森の中にあった煙突から煙の立ち上る小屋へと助けを求めて訪れる。
その小屋には一人の老人が住んでいたが、その老人は警戒心むき出しで青年の事を全く信用しようとせず、老人からショットガンを突きつけられたまま会話をする事となる。
緊張感の漂う中、青年との会話によって少しだけ打ち解けた老人だったが、話を聞くうちにこの老人が過激な性格で危険な思想を持った人物であることが判明。
青年は身の危険を感じるようになっていくが、外は日が暮れたうえに大雨が降り出し、小屋から逃げ出す事も出来なくなってしまい…
道に迷って森の奥の『奇妙な老人』の暮らす小屋を訪れる事となった青年の体験する恐怖を描いた、サイコホラー風味のサスペンススリラー映画。
「ドント・ブリーズ」で有名になったスティーヴン・ラング主演による『ヤバい老人』が主人公のサスペンススリラー映画ですね。
なんか、もうスティーヴン・ラングというと『ヤバい老人』役が板についてきた感がありますが、本作でもなかなかの怪演っぷりでヤバさを振りまいてくれております。
お話としては『とある青年が森の中で道に迷って、一人の老人の暮らす山小屋を訪れるんだけど、警戒心と敵愾心むき出しの老人は青年に銃を突き付けて、なかば山小屋に監禁されるような状態になってしまい…』みたいな感じの展開。
ノリとしては、山小屋の一室を舞台とした『シチュエーションスリラー』のような感じで、基本的には青年と老人の会話劇を中心にお話が進んでいきます。
老人のかもし出す『いかにもヤバそうな空気』やら緊張感やらは良く出ており、主人公がの青年が理不尽な危機に晒されるシチュエーションスリラーとしては、まあまあ悪くない印象。
また、老人だけではなく青年の方も素性が知れずに『何か秘密がありそう』な雰囲気なのも、謎解きサスペンスとしては面白いです。
ただ、シチュエーションや雰囲気は良い感じなのですが、本作は困ったことに『恐ろしいほどに話が冗長』なんですよ。
なんの誇張も抜きで、作中の9割ぐらいを『老人と青年が会話しているだけ』のシーンが占めており、絵柄にも状況にも変化が無いせいで観ていてとにかく退屈。
一応、会話の節々から主人公たちの行動や背後に秘められた『謎』への手がかりらしきものが掴めるような構成にはなっているのですが、流石に特に大きな事件も状況の変化も無いままに淡々と本編の殆どの尺を占める会話劇を見せられるのは、いくらなんでも辛いです。
まあ中盤辺りになるとなんとなく先が読めて来ますし、「世にも奇妙な物語」的なテイストのストーリーは悪くないですし、個人的には嫌いな感じの話じゃないのですが、『100分も尺を使ってやるような話じゃないだろ…』っていうのが正直なところ。
30分ぐらいの短編ホラーだったとしたら非常に楽しめたんじゃ無いかとは思うので、もうちょっと全体のバランスを考えて作っていただきたかったところですよ。(いっそ、オムニバス作品の一本とかにすれば良かったと思う…)
総評としましては、『とにかく無駄に尺が長くて冗長な作りのサスペンススリラー映画』って感じですね。
雰囲気やら世界観やらは悪くないですし個人的にも嫌いじゃないのですが、とにかく『恐ろしいまでに冗長な作品』なので、そこさえ我慢できればまあまあ楽しめる内容ではあるかと…
正直なところあまりオススメはしないですが、なんかの片手間に観る分にはちょうど良い感じかもしれませんので、気になるようであれば『お好みで』という一本でしょうか?