（５５点／サスペンス）
大学生のショーンとイーサンは、社会学の実験と称して近所に住む偏屈な老人のハロルドの家に監視カメラをセットし、心霊現象に偽装した『ドッキリ』を仕掛けて、その反応を録画するという実験を行う事になる。
しかし老人の態度は彼らの予想していたものとは違い、想定外の異様なものだった事から彼らは困惑。
老人が頻繁に出入りする『鍵のかかった地下室』に、亡くなった老人の妻に関する秘密があるのではないかと考えた彼らは、なんとかして真相を探ろうとするが…
不気味な老人の住む家に監視カメラをセットして『ドッキリ』を仕掛けた若者たちが驚くべき事件に巻き込まれるという、サスペンススリラー映画。
パッケージによると「ヴィジット」、「ドント・ブリーズ」に続く『老人スリラー』の最新作という事ですが、いやいやたまたま時期的に老人ネタが被っただけで、そもそもそんなジャンルは無いだろっていう。（笑）
まあパッケージのあおり文句へのツッコミはさておくとして、映画の中身の方は監視カメラとかハンディカメラの映像とかを中心に編集された、いわゆるモキュメンタリータイプのスリラー映画って感じの作品ですね。
お話としては、『近所の悪ガキどもがとある偏屈な老人の家に監視カメラをセットして『心霊ドッキリ』を仕掛けようとするんだけど、カメラの映像を観るうちに老人に何かの秘密があるのではないかと疑うようになり…』といった感じのお話。
『心霊ドッキリ』に対する不自然な老人の態度やら謎の提示の仕方はなかなか上手くて、なかなか先の読めない感じの作りになっているのはサスペンスとして良い感じですね。
ただ『不気味な老人の態度』よりも『主人公たちの悪ふざけ』の方がやや常軌を逸しており、最初からサスペンスの緊張感よりもガキどもへの不快感の方が上回ってしまいがちな展開なのが残念なところ。
また中盤以降に、主人公の少年たちにもちょっとした秘密がある事が判明して意外な方向に話が転がっていくという展開は面白いのですが、話が動き出すまでの流れが殆ど『監視カメラの映像を見てるだけ』なので、お話が動き出すまでがちょっと冗長。
監視カメラの映像も見辛いせいでいま一つ何が起こっているのかが分かり辛く、上記の『ガキどものムカつく態度』も加わって観ていてどうにもストレスが溜まってしまうのは困りものです。
ただお話が動き出してからの、終盤の謎解きの意外性やらどんでん返し的な要素やらは非常に面白く、最後もこの手の作品にしては投げっぱなしにならずにキレイにオチが付いているのは良い感じ。
先述の通りに全体的に展開が冗長な事や、途中で挿入される『この事件の裁判の様子』とかがいま一つ作品の流れから浮いてしまっている辺りは難点かなぁ？
唐突に挿入される『老人の過去の回想シーン』も流れとして分かり辛かったので、この辺の時系列から離れたシーンの見せ方がもうちょっと上手く処理されてればなぁ…って辺りが、ちょっと残念な作品でした。
総評としましては、『そこそこ良く出来たモキュメンタリー風サスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。
低予算ながらも脚本なんかは良く練られており、お話そのものは意外性もあってなかなか面白かったので、その手のサスペンスが好きならば観ておいても損は無い一本かも？
物足りない部分も多いもののオススメできる要素も割とあるので、予告とかを観て気になっているのならばチェックしておいても良いレベルの映画かもしれません。
