■■■「デンジャラス 見えない殺人鬼」■■■
(50点/サスペンス)
(50点/サスペンス)
軍の帰還兵のロニーは、従軍時代の過度のストレスから薬物中毒となり、人里離れた薬物治療センターに入れられ、7人の女性たちと共に薬物依存症の治療を受けさせられる事となる。
しかし初日のグループセラピーで、セラピーの最中に口論となったベスを暴行するという事件を起こしてしまい、担当医のジェシカは従軍時のトラウマが原因と考えて彼女を擁護するものの、治療センター自分たちの手には負えないと判断し、警察へと引き渡されることに…
そんな折、建物の外では猛吹雪が発生し、建物は陸の孤島として外界から遮断されてしまい、警察の到着は早くとも3日後だと判明するが、3日目の朝にベスが何者かによって殺害された遺体として発見されるという事件が発生。
施設の人間たちは事件はロニーの仕業だと考えるが、そんな矢先に更に警備員のラベルが死体となって発見され…
吹雪によって外界から隔絶された薬物治療センターで、正体不明の殺人鬼によって恐るべき連続殺人事件が発生する…という、サスペンススリラー映画。
いわゆる連続殺人を題材とした閉鎖環境型のサスペンス映画なのですが、サイコスリラー的な要素が強めの作品という感じの内容ですね。
お話としては『ある帰還兵の女性が薬物治療のために人里離れた薬物治療センターに入れられるんだけど、そこで殺人事件が発生。女性は従軍時代のトラウマから、ある事を切っ掛けに「幻覚を見てキレて暴れる」という障害を抱えていたことから、彼女が殺人犯ではないかと疑われるが…』といった感じの展開。
もう設定の時点で『幻覚を見て意識を喪失するほどキレて暴れるなんて特徴があるなら、薬物治療の前にそっちを治療しろよ!!』とかってツッコミを入れたくなったり、『集団治療施設なのに屋内に監視カメラの一台も無いのかよ?』とか色々と無理のある感じのお話ではあるのですが…
お約束な展開ながらも『殺人鬼は果たして、意識を喪失した時に現れる別人格の彼女なのか、もしくは別の殺人鬼が潜んでいるのか…』といった感じのサイコサスペンス的なストーリーは、まあまあ悪くはありません。
ただ、ここから先はネタバレになってしまうのですが…
タイトルに『見えない殺人鬼』なんて付いてる割には、お話の中盤あたりから、特にこれといった伏線もなく唐突に殺人鬼の正体が判明。
早々に『見える殺人鬼』となって、閉鎖環境での『殺人鬼VS生存者』のサバイバルみたいな展開に突入してしまうのはいかがなものかと…なんかタイトルに盛大に騙された気分です。
まあサバイバルスリラー的な展開もテンポは良くて悪くはないのですが、肝心のサバイバル展開も主人公たちや殺人鬼のキャラの掘り下げが弱いせいもあってか、いま一つ盛り上がりきらない感じなのが困りもの。
特に主人公の『過去のトラウマのせいで幻覚を見て暴れる』という特徴はほとんど活かされていないうえに最後までコレといった解決を見ないままですし、全体的に淡々とした展開でラストも妙にアッサリしており、どうにも物足りなさの残る作品でしたよ。
総評としましては、なんというか『可も不可もない感じのサスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。
退屈するほど酷い内容ではないものの全体的に盛り上がりに欠ける雰囲気で、個人的には『いかにもミステリー要素の強めの作品です』という感じのタイトルに騙された感が強いです。
オススメするにはちょっと弱い内容ですので、気になる場合でも『無料配信とかになったタイミングでチェックする』って程度で良いレベルの一本ではないかと…