NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ビースト」(55点/モンスター)

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■■■「ザ・ビースト」■■■
(55点/モンスター)


 猛獣ハンターのフランクは、ブラジルのジャングルで地元民から『ゴースト』と呼ばれて恐れられているホワイトジャガーの捕獲に成功。


 捕獲した他の動物たちと一緒に輸送するために、貨物船のミマー号でプエルトリコに向かう事となるが、しかし偶然にも同じ船に元特殊部隊の暗殺者で殺人鬼でもあるラフラーが移送のために収監されていた。


 やがてカリブ海の洋上を航行中に、護衛の兵士や監視員の隙を突いてラフラーが逃亡。
 更にラフラーは、フランクの捕らえたホワイトジャガーや毒蛇を檻から逃がしてしまい、船内は予想外の事態にパニックに陥ってしまうのだった…

 


 ハンターの捕らえた『人食いジャガー』と護送中の元特殊部隊の『殺人鬼』が輸送船内に逃げ出してしまい、船内が彼らの『狩り』の場となってしまう…という、パニックものサスペンススリラー映画。

 

 ホラーファン的には『「ザ・ビースト」といったら巨大イカが逆襲してくる話とちゃうんか!?』というツッコミを入れたくなりますが、そちらとは全く別のお話ですね。


 ニコラス・ケイジやらファムケ・ヤンセンやらが主演しており割と気合の入った作品といった印象ですし、閉鎖空間での『猛獣』と『殺人鬼』との対決という事で、いかにも面白そうな設定の作品なのですが…


 ぶっちゃけ、悪くはないものの『ちょっと設定負けしてる残念な感じの作品』という印象でしたよ。


 何が残念な感じかというと、せっかく『猛獣と殺人鬼に追い詰められる閉鎖環境スリラー』という美味しい設定が用意されている割には、猛獣の出番が殆ど無いということ。


 兵士や船員たちを襲うのはほぼ殺人鬼ばかりで、猛獣の方はあまり存在感がありません。


 もうちょっと『猛獣』の方も存在感を出していれば、緊張感あふれる展開にできたと思うので、正直に言って残念なところ…


 ただ純粋に、逃走した『凄腕の元特殊部隊の殺人鬼』と貨物船内で対決するというシチュエーションの映画として観るならば、まあそこそこ悪くない作品という印象。


 全体的にお話のテンポも良く、殺人鬼との対決シーンやらアクションシーンも多めで退屈せずに見れるのは良い感じ。


 殺人鬼が、船の航行装置や制御装置を破壊して的確に主人公たちを追い詰めていったり、兵士たちを隙を突いて各個撃破していくという流れは、いかにも『プロフェッショナルの特殊部隊員』という感じでキャラが立っており、なかなか悪くありません。


 逆に、主人公であるはずの『猛獣ハンター』は、猛獣の出番が少な目なこともあってか、いま一つキャラが立っていない感じなのは残念なところ。


 『身勝手なクズっぽく見えて実は良い人』みたいなキャラ付けもそこまで効果的に働いていないですし、『巧みなハンティングの技術で殺人鬼と渡り合う』みたいな要素もあまりなくて、主人公側に魅力があまり感じられないんですよね。


 他の兵士たちも影が薄いですし、主人公や猛獣も含めて『もうちょっとキャラクターに魅力があればなぁ…』と感じてしまうような作品でしたよ…

 


 総評としましては、なんというか『どうにも物足りなさの残るサスペンススリラー映画』って感じの作品です。


 サスペンスとして出来が悪いわけではないのですが、設定の面白さを活かしきれていないと感じてしまう部分が多く、強く推すには魅力に欠ける内容という印象。


 まあそこそこ出来は良いですし決してツマんない作品ではないので、設定等が気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。