■■■「ワニゲーター」■■■
(10点/生物パニック)
ワニが大量に生息する事で知られるアメリカ南部の町ティボドー市では、50周年を迎える『ワニ祭り』の開催を一週間後に控えて町ぐるみで盛り上がりつつあった。
しかし、そんな最中にトレーラーパークのトイレで男性が何者かに食い殺されるという事件が発生。
事件の調査に当たった保安官のミッチェルは、『下水道から侵入したワニによって食い殺されたのではないか』と推測し、その危険性を市長へと進言するが、経済効果から祭りを中止にしたくない市長は彼の警告を無視。
市内各地でのワニによる被害が拡大していくなか、ニュースを見た州立生態湿地局の調査員であるローラが協力を申し出て調査を開始するが、下水道では既にワニが大量に繁殖している事が判明するのだった…
ワニが大量に生息する南部の田舎町で、トイレや下水道から出現したワニがご家庭を襲う…という、生物パニック映画。
「デストイレ」とかでお馴染みの、国内随一のクソ映画の配給請負メーカーである『コンマビジョン』の配給による新作なのですが、まあ色々とそれは酷い内容で、「デストイレ」に匹敵するレベルの『そりゃコンマビジョンじゃないと販売できんよな…』って感じのクソ映画ですね。(他のメーカーじゃ企画が通らない…というか、それ以前に正気を疑うレベル。)
低予算映画を、あまり頭ごなしに『クソ映画』と言ってしまうのも何なのですが、本作はもう販売メーカーからしても『どうせ観る側の視聴者も分かって観てるだろ』って感じの映画なので、ハッキリと『クソ映画』と断言してしまって問題の無いレベルの作品かなと…
ただ、クソ映画といっても「デストイレ」のような一発ネタ系の作品ではなくて、一応は割とマジメに作られているっぽい作品なのですが、むしろだからこそ『観ていて辛い部分がある作品』というのが正直なところ。
ストーリー的には『下水道でいつの間にかワニが大量繁殖していて、エサを求めて人間を襲うようになりました』みたいな感じの展開で、どことなく往年の佳作生物パニック映画である「アリゲーター」をリスペクトしたっぽいテイストが感じられる内容です。(あと「ジョース」とかも…)
ただ、水洗トイレのパイプとか10センチぐらいの排水溝からワニが家庭に侵入するとか、『どう考えても設定的に無理がありすぎるだろ!』ってのが正直なところですし、よしんばその排水溝からワニが入ってきたとしても『人間を食い殺せるようなサイズじゃないだろ』とか、色々とツッコミどころが満載。
ワニの襲撃シーンも、犠牲者が『ワニに襲われるイメージ映像』か、もしくは『1mぐらいのワニの模型(剥製?)を相手に暴れてるだけ』ですし、とにかく観ていて色んな意味で辛いシーンが多すぎてす。(まあ、模型を相手に大乱闘するシーンは逆に笑えるレベルになっているので、ネタとしては悪くはないですが…)
ストーリーらしいストーリーも存在せず、山場とか見せ場も無い(一応、襲撃シーンは見せ場なのか?)のでとにかく退屈ですし、ラストも妙に唐突で殆ど盛り上がる要素もなく淡々とした感じ…
極めつけには『60分程度の尺の映画』なのに、何故か『エンディングのスタッフロールが無駄に10分ぐらいある』という謎の構成で、最後の最後まで徹底的に視聴者をガッカリさせにに来るのはある意味で凄いです。
(まあ10分といってもNG集みたいシーンも入ってるので、観るのがそこまで苦痛じゃ無いのが救いですが…
ただ、一応ラストのワニの女王(?)とのバトルのシーンでは、CGでワニが描かれており、『ラストぐらいは見せ場を作ろう』と努力をしている気配が感じられるのは、好感触な部分かも?
総評としましては、色々と酷い出来の『掛け値なしにクソ映画と言って良いレベルの超低予算生物パニック映画』といった感じですね。
ホントにビックリするぐらい酷い出来の映画なせいで、むしろ『一周して楽しい気分になれる』ような作品ですので、ネタ映画として観るつもりであれば『まあまあアリかな?』という印象。
もし普通に生物パニック映画を観るつもりで視聴したら、ガチでブチ切れそうになりそうな内容なので、観る場合は覚悟完了してから視聴する事をオススメしますよ。