NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「メガ・クロコダイル」(45点/モンスター)

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■■■「メガ・クロコダイル」■■■
(45点/モンスター)


 引退した生物学者で探検家でもあるルオ・ハンは、ある日、とある大企業の会長から『ある島で行方不明になった弟を探してほしい』という依頼を受ける。


 その島はかつて彼の調査チームと婚約者が命を落とし、彼が引退する原因となった事故の起こった場所で、島の半分が毒ガスの瘴気に覆われて大量の人食いワニの群れが生息する、地元民から『地獄島』と呼ばれている場所であった。


 島へと到着した彼らは、人食いワニや吸血ヒルや殺人植物といった島の奇妙な生物たちに悩まされながらも捜索を開始するが、そんな矢先に銃弾や武器が通用しないような超巨大ワニに遭遇し…

 


 行方不明になった調査チームを探すために人食いワニの群れの生息する『地獄島』と呼ばれる島へと上陸した捜索隊が、奇妙な生物や超巨大ワニの襲撃を受ける…という、中国製のモンスターパニック映画。


 最近の中国映画界でにわかに流行している、巨大生物ものパニック映画の新作ですね。


 アメリカや日本もそうでしたが、高度成長の時代には『巨大生物もの』の映画が流行する法則のようなものがあるようで、実際の映画の内容も70~80年代に流行った『トンデモ系巨大生物もの冒険映画』そのものみたいな感じの内容です。


 お話としては、『とある捜索隊が人食いワニの群れの生息する無人島に調査チームの生き残りを探すために上陸するんだけど、そこでワニの群れや肉食昆虫をはじめとする危険な生物たちに襲われ、更には島に隠された恐るべき秘密を知ることになる…』みたいな感じの展開。


 基本的には『様々な危険な生物に続けざまに襲われる捜索隊』の活動がメインとなっており、捜索隊の面々が巨大ワニをはじめとして、『人間の身体に入り込んで内側から食い荒らす吸血ヒルやら『どうみても巨大なハエトリソウにしかみえない人食いラフレシアやら『寄生した人間をコントロールして他人を襲う寄生昆虫』といったヤバすぎる生物の群れに襲われるといった内容。


 ちなみに、なんで名も無いアジアの無人島にそんなヤバい生物が大量に居るのかというと、『実はとある企業の研究施設が島で違法な遺伝子操作実験を行っており…』みたいな設定があるのですが、どうみても『作りたい作品の内容にあわせて設定を考えた』という感じの後付け感がハンパなくて、ストーリーは割とどうでも良い印象。(笑)


 とりあえず、この辺の『ひと昔前のZ級生物パニックホラー』にありがちなトンデモ系の設定に魅力を感じるなら、観てみても良いかもしれません。


 ただトンデモ系の設定は楽しいのですが、本作が生物パニックホラー映画として面白いかと言われると微妙なところなのは残念な感じ。


 色んな怪物が登場する割には個々の怪物の出番が少な目で、怪物の出てこないシーンが長めなせいで全体的にダラダラしていてどうにもテンポが悪いんですよね。
 これだけ色々な怪物を出すなら、もうちょっとハッチャけた暴れっぷりでそれぞれの見せ場が欲しかったところです。


 主人公もいま一つキャラが立っておらず、過去の『調査チームと恋人が殺されたエピソード』もあまり効果的に使われていませんし、ヒロイン的な扱いである『大企業の会長』もいま一つ影が薄くて、そもそもいくら『行方不明の弟を探すため』とはいえ、出資者の大企業の会長がこんな危険な島に直接上陸してくるのも意味不明。


 違法な生物実験をしていた企業も『巨大ワニの血清から超耐性菌の治療薬を作ろうとしていた』という割には、何のために人食い植物やら寄生生物を持ち込んでいた(作り出していた?)のかが謎過ぎですし、色々と設定に無理がありすぎです。


 最大の見せ場であるはずの『超巨大ワニ』も、20mもあるという設定の割にはあまり巨大感や迫力が無いのに加えて、CGも粗めで浮きまくりなせいでどうにも存在感が感じられないんですよね。


 巨大生物やらヤバい生物たちをメインで描くのであれば、『もうちょっと気合を入れてモンスターたちが魅力的に描かれてたら、良さげな映画になったんじゃないかなあ?

 


 総評としましては、『いまひとつ盛り上がりに欠ける生物パニックものホラー映画』っていうのが正直な感想です。


 『古き良き時代のトンデモ系の生物パニックホラー映画』のノリが好きであれば、それなりに楽しめる内容だとは思いますが、全体的にモンスターに魅力が薄いのでオススメするには弱いかなぁ?


 壊滅的にツマんない訳でも無いので、気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんが、最近の中国映画は同じような系統の作品がたくさん作られてるので、観るならば他の類似作品でも良いかもしれませんよ。